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人だけでなく猫にもある嫉妬という感情

嫉妬する[1]

2012年10月25日(木)

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嫉妬と妬み

 これからしばらく嫉妬するということについて考えたい。嫉妬というものは、人間に深く根づいた感情である。ごく幼児の頃からみられる感情であり、嫉妬しない人はいないと言えるだろう。もちろん人だけではない。動物も嫉妬する。猫を家に飼っていて、突然別の猫を連れてきてかわいがったりすると、激しく嫉妬して攻撃的になるか、すねてしまうだろう。

 この嫉妬という感情は根深いもので、分析するのもなかなかに困難である。まずは嫉妬の感情を二種類に分けて考えることから始めよう。ジェラシーとエンヴィーである。通例にしたがって、ジェラシーを嫉妬と訳し、エンヴィーを妬みと訳すことにしよう。

嫉妬の感情

 人間にも動物にも根本的な感情は、嫉妬のほうである。嫉妬は基本的に三角関係である。当事者は「わたし」と「あなた」と「あいつ」である。嫉妬の感情は、あなたがわたしを愛していたのに、あいつがその愛情を(あるいはそのごく一部を)奪ったと感じるときに生まれる。

 よくある三角関係は、男性と女性の愛情関係に、別の男性か女性がかかわるときに発生する。しかし人間の基本的な感情としての嫉妬では、性別はかかわりがない。わたしが男性であろうが女性であろうが、あなたが男性であろうが女性であろうが、あいつが男性であろうが女性であろうがかかわりない。すべての当事者が男性でも、すべての当事者が女性でも成立する。

 わたしが女性の娘であり、あなたが女性の母親であり、わたしの家に女性である妹が生まれたならば、わたしは必ずや嫉妬の感情に苦しめられるだろう。母親はわたしに与えるべきすの愛情を、これまでのようにわたしに注がずに妹に注ぐことになるからだ。あなたのわたしへの愛情は、必ずや少なくなるだろう。

 この三角関係の「あいつ」は必ずしも人間である必要すらない。あなたの愛情が猫に注がれるならば、わたしは猫に嫉妬するだろう。あなたの愛情が仕事に注がれるならば、わたしは仕事に嫉妬するだろう。植木にだって嫉妬するかもしれない。猫は飼い主が新聞を読んでいると、邪魔しにくることがある。猫は新聞に嫉妬しているのだ。

妬みの感情

 これにたいして妬みは、基本的に二者関係のようにみえる。わたしはあなたが、わたしにないものをもっているのをみる。わたしはそのものが欲しいと思う。しかしそれはわたしが簡単に手にいれることができるものではない。優れた身体的あるいは精神的な素質であるか、広い意味での稀少財であるか、手に入れるための費用が高い財である。そこでわたしはあなたを妬む。

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「人だけでなく猫にもある嫉妬という感情」の著者

中山 元

中山 元(なかやま・げん)

哲学者、翻訳家。

1949年生まれ。東京大学教養学部教養学科中退。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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