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イルミネーションが後ろめたさを照らし出す

2012年12月14日(金)

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 電力各社の電力使用状況が、時々ツイッターのタイムラインに流れてくる。
 親切な人やおせっかいな人や押し付けがましい人や心配性の人が、それぞれ、折にふれてリツイートしてくれるからだ。

 見ると、たしかにこれは、かなりヤバい。
 この夏、大飯原発の再稼働を前に、電力不足の懸念が叫ばれていた当時と比べても、状況はさらに逼迫している。

 東京電力は、なんとか90 パーセント前後で持ちこたえている(それでも12 月10 日には90.33%に到達した)が、中部電力東北電力北海道電力は、連日90 パーセントを超えている。軒並み、真っ赤な警報ラインだ。特に東北電力は、12月9 日に97 パーセント、10 日に95 パーセントを記録している。これって、ほとんど電力ダウン寸前ではないか。

 ここへきての電力不足の原因については、原子力発電所の停止以外にも、火力発電所の定期点検や事故による停止など、いくつかの要因が背景にあると言われている。
 一部には、「総選挙を意識した電力会社による自作自演ではないか」と言っている人々もいる。
 どっちにしても、電力各社が経年劣化した火力発電所をギリギリのところで操業させていることはたしかで、総体として、電力の需給状況が厳しい状況にある点は、動かしがたい。こんな記事もある。 

 大変に憂慮すべき事態だ。

 なのに、クリスマスシーズンの町を歩くと電飾が目に飛び込んでくる。
 12月に入ってからこっち、都心の繁華街はどこもかしこも贅を凝らしたイルミネーションを競っている。
 六本木のけやき坂も、新宿のサザンテラスも、赤坂のサカス周辺も、ピッカピカのキンキラキンのギーラギラだ。

 こういうのは、おかしいのではないか?

 今回は、「節電」について考えてみたい。

 わが国のエネルギー政策のあるべき姿だとか、原子力行政の光と影だとかいった話題については、もっとアタマの良い人たちが別の枠組みで演説をしてくださるのであろうからして、私は、そこのところには踏み込まない。

 あくまでも、ちまちまと「節電」に絞って話をしてみる所存だ。

 というのも、これから先、わが国の原子力行政がいずれの陣営の思惑で動かされることになるのだとしても、節電が重要な課題である点は変わらないはずだからだ。電力のモトがどこからやって来るのであれ、われわれが、これから先の先細りの時代を、野放図に電気を浪費しながら暮らしていて良い道理は無い。

 にもかかわらず、電飾は今日もピカピカしている。
 ロマンチックだとか幻想的だとかファンタジーの世界にいるみたいだとかなんとか、セクシーサンタの衣装を身にまとったレポーター嬢は、しきりに嬌声をあげて両手をくるくるさせている。

 なんと馬鹿馬鹿しい顛末ではないか。

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「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「イルミネーションが後ろめたさを照らし出す」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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