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隣人の鼻毛は長い方が嬉しい?

2013年2月1日(金)

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 北京の大気汚染が話題になっている。

 ニュースサイトに貼り付けてある写真を見ると、たしかに、これはひどい。リドリー・スコットの映画に出てくる未来都市みたいだ。

 スモッグの向こうにうっすらと浮かび上がる高層建築のシルエットは、不気味ななかに、ある幻想的な美しさをたたえてもいる。おそらく、この画像を見たら、リド氏は、ムービーカメラを担いですぐにでも駆けつけたくなるはずだ。
 
 その北京の空を覆っている汚染物質が、風に乗って日本に到来することを心配している人たちがいる。

 西風の吹く季節であることを思えば、人々が不安な気持ちを抱くのは、当然の帰結だ。
 が、私は、彼らの真意を訝っている。

 彼らは、本当に大気汚染を心配しているのだろうか。むしろ、中国を非難する材料を得たことに、反応しているだけなんではなかろうか。

 いずれにせよ、大気汚染の程度やその拡散の実態とは別に、発生源が中国であるということが、人々の感情に影響を与えている事情はあるわけで、結局、汚染物質の飛来を憂慮している人々は、同時に中国社会の無責任さに憤り、さらに、その中国の責任を追及することに昂揚感を覚えているのかもしれない。

 われわれが、何らかの被害なり影響なりを蒙った場合、原因者が誰であるかによって、その心持ちはずいぶん違う。被害を過大に感じる場合もあるし、看過することもある。

 典型的な例がタバコの煙だ。

 好ましく思っていない人間が吐き出す煙は、かなり深刻に耐えがたい。
 一方、友好的な関係にある人間の副流煙は、煙であることは同じなのに、さして気にならない。

「H川さんというのは、実になんというのか、手に負えないヒトだなあw」

 などと鷹揚に構えている。

 香水の匂いやタイピングのノイズについても、われわれの態度は、おおむね、似たようなものだ。

「あの野郎、何を当てつけがましく黙り込んでいやがるんだ」

 と、不愉快な人間は、静かにしていてさえ不快だったりする。

 私がよく覚えているのは、東日本大震災の折の原発事故の後、ソウルの市民が示した反応だ。
 彼らは、福島発の放射能を含んだ死の灰が、降雨とともにソウルの大地を汚すことを憂慮していた。
 で、結果として、震災後に、はじめてソウルに雨が降った日、ソウル市内では、100以上の小中学校が臨時休校の措置をとった。

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「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「隣人の鼻毛は長い方が嬉しい?」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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