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電話でつながる絆と詐欺

2013年3月29日(金)

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 ツイッターの画面は、何日かに一度、特定の偏った話題で埋め尽くされる。

 タイムラインが、本人の好みに沿って設計された与太話の流入回路である以上、それが、アカウントの個性に従って偏向して行く傾向は、避けることができない。

 バランスの取れた人間のタイムラインは、総合月刊誌の目次のような、総花的な話題に終始するものらしい。

 が、多くのバランスを欠いたツイッター民のタイムラインは、時間の経過とともに、徐々にその奇矯さの度合いを深め、最終的には、マニア向けの通販カタログの境地に到達する。いや、それがいけないというわけではないのだが。

 週明けは、振り込め詐欺の新名称をめぐる話題が、ちょっとした「祭り」になっていた。
 私がツイッターから離れられないのは、「情報」や「ニュース」自体よりも、おそらく、この種の「祭り」に嗜癖しているからだ。

 ツイッター民は(「私のツイッター民は」と言うべきなのかもしれないが)このテの大喜利ネタが大好きだ。
 で、「#振り込め詐欺新名称」というハッシュタグには、不謹慎なネーミングや、たわけたタイトルが次々と投稿されて、週明けのタイムラインは、久々に大盛況だった。

 ハッシュタグというのは、ツイッターが提供している機能のひとつで、「#○○」というタグ付きで書き込まれたツイートを、ひとまとめの形で閲覧可能にするものだ。不特定多数の人間が共通の話題を追いかける際などに、大きな威力を発揮する。

 今回のケースでは、警視庁が「#振り込め詐欺新名称」というハッシュタグを用意している。

 ハッシュタグを使ったことで、投稿する人間は、既存のツイートを随時一覧できる。新名称を公募する警視庁の側も、手軽にアイディアを収集することができる。この先、この試みがどんな結果をもたらすのかはともかくとして、公的な機関のアカウントが、告知オンリーの姿勢から一歩踏み込んで、ツイッター経由の情報収集を始めた一例として、面白いと思う。

 背景を説明しておく。
 今回、警視庁が新名称の公募に踏み切ったのは、「振り込め詐欺」という名称が、被害の実態と乖離してきているからだ。
 
 産経新聞の記事によれば、「振り込め詐欺」の手口は年々高度化しており、昨年の振り込め詐欺では、被害者に銀行振り込みをさせることなく、現金を直接手渡しさせる手口が7割を占めている。

 こういう状況だと、詐欺への警戒を促す広報活動が、かえって潜在被害者に誤解を植え付けることにもなりかねない。

「堂々と現金を受け取りにくると言っているのだから、振り込め詐欺ではないはず」
「銀行振り込みを言い出していないのだから安心」

 犯行グループは、「振り込め詐欺」というネーミングの裏をかく形で、集金の手段を、直接の受け渡しや代引きを利用した手口にシフトしてきている。なるほど。油断は禁物だ。

コメント38

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「電話でつながる絆と詐欺」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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