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「女性手帳」というパルプ・フィクション

2013年5月10日(金)

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 連休明けの5月7日、政府が「女性手帳」なるものの導入を検討しているというニュースが流れてきた。

 共同通信が伝えているところによれば、概要は以下の通りだ。

『政府は7日、少子化対策を議論する作業部会「少子化危機突破タスクフォース」(座長・佐藤博樹(さとう・ひろき)東大大学院教授)の会合を開き、晩婚化や晩産化が進む中、若い世代の女性向けに妊娠・出産の知識や情報を盛り込んだ「女性手帳」(仮称)の導入を議論、委員からは異論などは出なかった。

 女性手帳は「妊娠や出産の適齢期を知らない人が多い」との指摘を踏まえて検討されたもので、女性の将来設計に役立ててもらうのが狙い。作業部会の下で具体的な妊娠・出産支援対策を討議してきたサブチームが導入を提案した。――後略――』(元記事はこちら

 この「少子化危機突破タスクフォース」の作業部会は、少子化に歯止めをかけるための具体策を、今月中に取りまとめ、6月中に策定される政府の「骨太の方針」(←なんと気持ちの悪い言い回しであることだろうか)に反映させる意向を持っているのだという。

 ニュースが配信されると、ツイッターやブログをはじめとするネット上のソースには、主に女性によるものと思われる反発のコメントが一斉に書き込まれる展開になった。

「少子化の原因が、若い女性の無知や情報不足にあるのだと、政府の人間が本当にそう考えているのだとしたら、認識不足も甚だしい」
「なんという上から目線」
「っていうかあたしたちを永遠に小娘扱いにしたいわけですか?」
「それより働く女性の育児をサポートする体制をなんとかしたれや」
「これ、つい先日発表された『育児休暇3年プラン』だかと地味に連動してないっスか?」
「ああ、あれもアタマ来た。3年間抱っこし放題とか。根本的に勘違いしてる」
「つまり、女は家に閉じこもって育児してやがれってこと?」

 うむ。
 私の方から付け加える言葉は無い。

 前々から感じていたのだが、安倍首相にとって、出産、育児、教育、および家族観といったあたりの問題は、ご自身の信念にかかわるお話で、この分野については、持論を押し通す強い気持ちを持っておいでなのだと思う。

 経済、金融、外交、国防といった国政の重要課題に関して、専門家の話に比較的よく耳を傾けている姿を見ているだけに、話が教育や家族がらみになるととたんに暴走する感じには、奇異な印象を抱かせられる。安倍さんにとっては、それほど「美しい家族像」が大切なのだろうか。

 育児・教育・家族の問題に関して、安倍さんにブレーンがいないというわけではない。

 ただ、そのブレーンの顔ぶれが、いずれも安倍さんが常々口にしている理念を補強する人々に限られているように見える。私は、その点に危惧を感じている。

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コメント102件コメント/レビュー

安倍さんの発想って北朝鮮と同じだと思う。(2013/05/15)

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「「女性手帳」というパルプ・フィクション」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

安倍さんの発想って北朝鮮と同じだと思う。(2013/05/15)

先進国では、仕事が知的に高度化するので、子供の教育にテマとヒマとカネがかかります。一人前を目指して、仕事のスキルなど磨いてるうちに、あっと言う間に30歳になってしまいます。男性は還暦迎えても子作りできないことはないですが、女性の体の出産適齢期は、やはり20代までだと思います。その後の育児に必要な体力も、30代になると低下します(実体験よりw)。もし、「稼ぐ人=男」「生み育てる人=女」という伝統的な家族を増やしたいなら、「格差社会・差別」などというサヨク的な世迷い言は完全に無視して、「稼ぐ能力のあるやつは、どんどん稼げ」と奨励すべきです。稼ぎまくって乳母でも雇いながら4~5人子供を育て、同時にガンガン税金を納めてくれる国民が増えれば、その分、社会福祉に回せる予算も増えて、稼ぐ能力の無い国民も国経由で彼らの能力の恩恵に浴せるわけです。サヨク的な「貧乏の平等」を否定しなければ、日本には、さらなる経済的な発展も、国民(子供)の増加も起こり得ないでしょう。(2013/05/15)

「女性手帳」や育児休暇3年といった安倍「少子化対策」はあまりにもトンチンカン。税,年金,健康保険など,いろいろな社会制度が勤め人の夫と専業主婦の妻と子どもという家族のあり方にあわせて作られ,その枠にはまらない生き方を望む人は不利益を甘受せざるをえない仕組みになっています。婚外子が少ないのは,欧米に比べて日本がその子たちにとってはるかに生きにくい社会だからということではないでしょうか。制度が時代に合わなくなっているのに,現実にあわせて制度を変えるのではなくて,人々の頭の中の時計の針を逆回しして元に戻そうというのが,「日本を取り戻す」。うまくいきっこない,と私は思います。(2013/05/14)

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