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林檎購入事件

2013年6月21日(金)

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 アップルのMacBook Air(以下、「MBA」と表記する)を買った。
 当テキストは、その、今日届いたばかりのMBAで書いている。

 今回は、新マシン購入の顛末について書く。
 私事(わたくしごと)と言えばまったくの私事だし、「ビジネス」の看板をかかげているメディアに、プライベートな買い物の話を書くことは、お門違いであるのかもしれない。

 が、21世紀の公共は、煎じ詰めれば、勝手放題の個々人の私的な生活と、それを支える個別の商品によってできあがっている。その意味において、何かを買うということ以上に社会的な行為は無いのであって、とすれば、商品の購入について書いたテキストは、十分に公共的な意味を持っているはずなのである。

 そもそも、私がMBA購入に心を動かされたのは、5月の連休に、関西方面での仕事が発生したからだ。
 ふだん、外出することの少ない私にとっては、久々の遠征仕事だ。
 となると、どうしても、遠くに出かけるためのインセンティブとして、ノマドなPCが欲しくなる。

 どうか、蟄居民が巡礼を前にリキむ心情を笑わないでほしい。
 新幹線に乗っている圧倒的多数のビジネスマンは、移動そのものにうんざりしている。
 顔を見ればわかる。車両に乗っている背広組の表情は、驚くほど暗い。
 
 が、滅多に遠出をしない地元密着型のオタクは、新幹線や飛行機に乗る予定が先にあるだけで、舞い上がってしまうものなのだ。

 私がモバイルなPCに惹かれるに至った気持ちの裏には、もうひとつ、昨年の関西出張の折り、自宅用の15インチのノートPCを持ち歩いた時の重さの記憶がある。

 まず、その時の話をする。
 昨年の春と夏に神戸・大阪をそれぞれ訪れた折、私は、関西行きに先だって、MBAを買うべきか、ウィンドウズのモバイルPCを買おうか迷っていた。
 で、迷ったあげくに、結局、キャリーバッグを買った。

 つまり、判断をつけられないでいるうちに出発の期日が来てしまったわけで、それゆえ私は、出発の当日、近所の量販店で、とりあえず自宅用のデカいノートパソコンを運ぶための車輪付きの旅行用スーツケースを購入したのである。

 大阪出張は、そんなわけで、一泊の旅程であるにもかかわらず、大荷物の旅行になった。

 しかも、キャリーバッグを新調してまで持ち込んだノートPCは、結果として、バッグから外に出なかった。というのも、宿泊先のホテルについてみると、私は、移動と仕事と挨拶と荷物の重さにすっかり疲れ切っていて、とてもではないがPCを開ける気持ちになれなかったからだ。

 今年の関西出張は、二泊三日の旅程だった。
 出発前の段階で、私は、MBAを買う気持ちをほぼ固めていた。
 自分が3日間の間、パソコン抜きの暮らしに耐えられるようには思えなかったし、かといって、あのデカいパソコンを持って歩くことも、真っ平御免だったからだ。

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「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「林檎購入事件」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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