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猛暑日のダブルスタンダード

2013年8月9日(金)

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 毎年、この季節が来る度に思うのだが、8月は話題が乏しい。
 新聞雑誌をチェックした上で、ネット内もひととおり巡回してみるのだが、お盆休みに向かうこの時期、目に入ってくるのは既視感を覚えさせる話題ばかりなのだ。

 で、テーマに困ったあげくに、毎年、甲子園の高校球児について書いている気がする。

 もちろん、毎年書いているわけではない。
 実際には、アタマの中で甲子園コラムの構想をあれこれと組み立ててみて、そのあまりの陳腐さに執筆を放棄する手続きが、毎年のように繰り返されているということだ。
 なんだかうんざりする話だ。

 マスコミの現場でも似たことが起こっている。
 すなわち、不毛なネタ探しに無駄な労力が投入され、その一方で、日の目を見ない凡庸な予定稿が大量廃棄されているに違いないのだ。

 夏の到来とともに、事件が減るわけではない。
 なのに、8月のネタ切れは毎年同じようにやってくる。

 理由は、取材すべき案件が減るからではなくて、取材に向かう人間の頭数が不足するからだ。

 どういうことなのかというと、記者が夏休みを取ることで、事件を伝える側の人間の絶対数が一時的に半減するわけで、その結果、お盆休みを挟んだ現場がネタ枯れに陥るという毎度のドタバタ劇が招来されるのである。

 で、毎年、この時期は、カレンダー通りにやってくる定番の季節ネタが紙面を埋めることになる。
 ちなみに、その「定番の季節ネタ」の代表例が、甲子園野球関連のあれこれと、戦争振り返り企画だ。
 広い意味で言えば、戦争と野球は夏休みの季節メニューなのである。

 メディア企業の社員が夏休みを取るために、去年のネタをコピペしてアップデートしただけの戦争懐古記事が、今年もまた定期配信されているとか、暑い時期の取材を嫌う記者の怠慢が、高校野球の全国大会を開催せしめているとか、そういうことを言いたいのではない。

 ただ、事実として、この時期の記事制作現場が、戦時懐古と甲子園ポエムを当て込んだ上で回っている事情は動かしがたいわけで、フロアの半分以上の人間が夏休みを取っている(最近は丸々一週間オフィスを閉じてしまう編集部も珍しくない)状況下でコンテンツを揃えるためには、十年一日の、流れ作業の、作り置きの、安心安定の定番水増し企画がどうしても不可欠なのである。

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「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「猛暑日のダブルスタンダード」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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