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バイト君の愚行とオトナの炎上

2013年8月23日(金)

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 アルバイト店員の悪ふざけが世間を騒がせている。
 コンビニのアイスクリームケースに横たわる若者の写真がツイッターに流れてきたと思ったら、数日後にはステーキハウスの業務用冷蔵庫の中から顔を覗かせている店員の画像が拡散した。なんということだ、と嘆く間もなく、今度はピザチェーンの厨房係が、顔面にピザ生地を貼り付けたホラー画像をアップしている。

 いずれのケースでも、アルバイトは即座にクビを切られた。
 まあ、当然ではある。
 が、火の手はおさまらない。

 あるチェーン店では愚行の舞台となった店舗に対して、本部がフランチャイズ契約の解除を通告する事態に発展した。別の店舗では、アイスクリームを販売していたケースを新品に入れ替える旨をアナウンスして炎上に対応している。

 アルバイトの学生も職場を追われるだけでは済まなかった。ある生徒は、通っていた専門学校から退学の処分を言い渡されたという。
 これらの一連のできごとを、どのように理解すべきなのか、私は、いまのところ確たる回答を得られずにいる。

 で、試みにというのか、参考までに
「どうしてこんなことが続くんだと思う?」
 と、過日、一緒に麻雀卓を囲んだメンバーにこの問題についての意見を求めてみた。
 果たして、夏休み中のおっさんたちはまともなコメントを返してこない。

「知らねえよ」
「暑さのせいじゃないのか?」
「バカがバカなのはバカだからだろ」

 ……つまり、もう少し噛み砕いた言い方で彼らの内心を代弁すれば
「まじめに考える気持ちになれない」
 ということなのだと思う。気持ちはわかる。が、これでは答えにならない。
 私は食い下がった。

「まじめに考えてくれよ」
「じゃあまじめな話をするとさ、バカがバカなのは仕方がないんだとして、一番どうかしてるのはバイトがバカでしたみたいなことをドヤ顔で記事にしてるメディアの方なんじゃないのか?」
「店もたいがいだぞ」
「だよな。バイト学生が中で寝たぐらいのことでケースごと新品に入れ替えるとか、どこのおみせやさんごっこだよ」
「オレなんか××でバイトした時、◯◯の□□で△△したぞ」
「オレだって◯っ払って■■したあげくに××の△△に□□をぶちまけたぞ」

 ちなみに、伏せ字の部分は明らかにできない。それをすると、ツイッターに画像を公開したアルバイト君と同じことになる。

 つまりなんというのか、お盆休みに麻雀をやっているふつうのおっさんであるわれわれの目から見ると、若いヤツがバカであることは先刻承知の既定路線なのだ。いまさら驚くような事柄ではない。われわれもバカだったし、上の世代はもっとバカだった。とすれば、現代の若者がチャラチャラした気持ちでアルバイトにいそしんでいるということ自体、ごく自然ななりゆきであるわけで、そのチャラチャラした気持ちで働いているクソ甘ったれた若者たちの中の一部が、勤務中の愚行を仲間に吹聴することもまた、大変にナチュラルな展開なのである。

コメント63件コメント/レビュー

いろんなバイトやって、いろんな人見てきたけど、バイト先で悪ふざけするのが当たり前なんてことないですね。記事にあるような悪ふざけをするのは相当逸脱してる人間なのに、それが普通だという体で話を進めているので、見当違いな記事に感じる。(2013/08/26)

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「バイト君の愚行とオトナの炎上」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

いろんなバイトやって、いろんな人見てきたけど、バイト先で悪ふざけするのが当たり前なんてことないですね。記事にあるような悪ふざけをするのは相当逸脱してる人間なのに、それが普通だという体で話を進めているので、見当違いな記事に感じる。(2013/08/26)

読者コメントで「ネットドップリ若者層」と「バカやる若者層」の対立について書かれたものが最も腑に落ちました。「若者」という言葉を抜いていいかもしれません。また、それぞれの若者を取り巻く「大人層」も、相当に違うのかもしれません。ネットの普及は知識や情報の全体的な底上げにつながる、と昔は単純に考えていたのですが、上位層と下位層の格差拡大を加速させてるだけ、と最近は考えています。(2013/08/26)

自分の若いころのバカ自慢やなめてかかったアルバイト経験を、それが普通であったかのように吹聴する大人って何なのだろうと理解に苦しみます。今の小学生くらいの子供にさえ「ならぬものはならぬ」と徹底させた会津藩士には到底及ばなくとも、愚かで無責任な行為を指摘して罰することは大人の責任だと考えます。もちろん大人がそのような行為をすることについては、更に厳しく対応することを私は容認できます。(2013/08/26)

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