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レッドラインという「お約束」

2013年8月30日(金)

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 シリアへの軍事介入が噂されている。
 化学兵器が使用されたとされる先週末以来、当件について書かれた記事の中で、自力で入手できる範囲のものについては、ひと通り当たってみたのだが、いかんせん、よくわからない。

 ただ、ここへ来て、軍事介入のトリガーとして「化学兵器の使用」というキーワードが、急速に浮上してきたことは、強く感じている。

 しかしながら、「化学兵器の使用」→「英米による軍事介入」といういかにも粗雑なフローチャート以外の部分は、やはり、何度考えてもよく理解できない。

 なので、「シリア情勢」については書かない。
 プロの書き手として、それらしい原稿を書くことができないというのではない。
 やればできると思う。

 とはいえ、仮に私が「それらしい記事」を書いたのだとすると、それは、「誰かの意見の受け売り」か、でなければ「この半年ほどの間に収集した情報のダイジェスト」みたいなものになるはずで、学生の夏休み課題レポートならいざしらず、私がそんなことをしても仕方がないではないか。
 
 もっとも、収集した情報を要領よくまとめるためにはそれなりの能力が必要で、現実に、そういうタイプの手腕を備えた人間は、さまざまな場面で、大いに優遇されてもいる。
 というよりも、極論するなら、昨今のメディア状況では、「わかってもいないことについてわかっているみたいな文章を書く能力」の方が、「自分のアタマで考えた内容を過不足無く記述する能力」よりも、ずっと需要が高いのかもしれない。

 ……というのは、冒頭で開陳するには、あんまり弁解じみたお話でしたね。
 でなくても、「やればできるけどやらないよ」みたいなほのめかしは、わかってもいないことをわかっているみたいに書くこと以上に、品格を欠いた態度であった。

 単純に言おう。
 シリア情勢について、私はそれらしい原稿を書く見識も力量も備えていない。
 ここでは、アメリカの対シリア対応が私の目にどんなふうに見えているのかについて書くことにする。

 私の関心は、ずっと以前から一貫して「シリアで起こっていること」それ自体よりも、「アメリカがやろうとしていること」のほうに、向けられている。
 であれば、その「アメリカ」について書くことが、この場合の適切な態度であると考えられるからだ。

 結論を先に述べる。
 私は
「またか」
 と思っている。
 あるいは、現段階では
「またか」
 以上の感想を抱くことができずにいる。

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「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「レッドラインという「お約束」」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト