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理系ベンチャー×文系ベンチャー 【第1回】

僕らは日本人投資家に支えられている

2013年9月24日(火)

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 世界に1億2000万人の患者がいると言われる加齢黄斑変性。加齢とともに網膜の黄斑部が異常を来し、徐々に視力が低下していく難病だ。欧米では失明原因の1位だが、現状では末期患者向けの眼内注射しか治療薬がない。

窪田CEOの半生を描いた「極めるひとほどあきっぽい」はこちら

 この難病に取り組む日本人がいる。米シアトルで、加齢黄斑変性の飲み薬を開発しているアキュセラの窪田良CEO(最高経営責任者)だ。20代は遺伝子解析の分子生物学者、30代は虎の門病院の眼科医、40代はベンチャー企業の経営者と、10年ごとに異なる専門を極めた異色の人物である。

 その生き方にライフネット生命を率いる岩瀬大輔社長が共鳴、理系ベンチャー×文系ベンチャーという異色対談が実現した。1回目は窪田CEOの半生や起業の経緯について。意外なことに、両者の起業を支えたのは日本人投資家だった。

岩瀬:僕はよく、自分のブログで本を紹介しています。友人からもたくさん本が送られてきて、本当に面白くて紹介するものと、そうでもないものとがあるんですが、窪田さんの『極めるひとほどあきっぽい』は、格段に面白かったです。僕がハーバード大学のビジネススクールで学んだことを実際にやっている日本人がいるんだ、と思って本当に面白く読みました。

窪田:ありがとうございます。岩瀬さんが学んでいたこと、というのは?

岩瀬:僕はハーバードに留学していたとき、ヘルスケア業界におけるアントレプレナーシップとベンチャーキャピタルについて学んでいたんです。

窪田:そうだったんですか。それはなぜ。

岩瀬:アメリカでしか学べないことをやろうと思ったんです。

窪田:日本ではなかなか学べないですからね。僕も短期間ですがハーバードのファーマシー・リーダーシップ・コースに行って、ケーススタディを学びました。

「眼」に関わるものならカエルの箸置きでも好き

岩瀬:そもそも、窪田さんは眼のお医者さんですよね。なので、以前お目にかかったときに、なぜ眼医者になったのかな、と気になっていたんです。ご自身の視力が悪くて、それで眼医者を目指したのかなとか。その答えが、この本に書かれていた。子どもの頃から、眼がお好きだったんですね。キョロキョロと動く動物の眼を美しいと思っていて。

窪田:そうなんです。

岩瀬:今も眼はお好きですか。

窪田:ええ、大好きです。この間、あるレストランに食事に行ったんですけど、とても居心地がいいんですよ。なんでかなと思ったら、テーブルにカエルの置物が置いてあって、その眼がこっちを見ているんです。

岩瀬:やっぱり眼なんですね。

アキュセラのCEOとして、加齢黄斑変性症の治療薬作りにすべてを捧げている(写真、大槻純一、以下同)

窪田:それで店の人に「この置物はどうしたら手に入りますか」と聞いたら、「それで良ければお譲りします」と。聞くと、年に何人か、僕みたいな客がいるそうです。目が一番ぱっちりしているカエルがお気に入りで、それは息子たちにも使わせたくなかったのですが、最近はこっそり選んでいたのがばれてできなくなりました(笑)。

岩瀬:この本では、窪田さんの眼への情熱の記述が、文学的でいいんです。これは子どもの頃のお話ですが、ちょっと読みます。

 《特に、お気に入りだったのが人間のオーソライズされた眼だ。水面に映る月のように、瞳は揺れるような光をたたえている。その輝きは黒曜石のように艶やかで、人体のどの器官と比べても艶麗である。しかも、そのメカニズムは驚くほどに精巧だ。》

 このパッションのようなものは、僕ら文系にはないので、だからその分、いいなと思います。

窪田:僕らはギークですからね。

岩瀬:そして、窪田さんがいる世界はプロダクトドリブンというか、テクノロジードリブンですよね。市場調査をして、お客さんがいるかどうかを確かめて、この市場なら勝算があるから参入しよう、というビジネスの進め方ではなく、技術がまず先にある。

窪田:市場調査などは参考程度で頼りませんね。世の中にニーズがあり、そこに、自分たちの持っている技術が合うか合わないかの話なので。

岩瀬:2008年にアキュセラと大塚製薬との間で結んだ共同開発契約も特殊ですよね。窪田さんが見つけた加齢黄斑変性の候補化合物「エミクススタト」の開発に成功し、実際に治療薬として使われるようになれば、最大240億円の成功報酬が支払われるという契約ですが、かなり大きな成功報酬ですね。

窪田:候補化合物を大手製薬会社と一緒に開発して、成功すれば成功報酬を得る「アライアンスモデル」と呼ばれる、この世界に非常に特化したビジネスモデルです。それだけ、大塚製薬が僕たちの見つけた候補化合物に期待を寄せているということです。本当にありがたいことです。

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「理系ベンチャー×文系ベンチャー 【第1回】」の著者

片瀬 京子

片瀬 京子(かたせ・きょうこ)

フリーライター

1972年生まれ。東京都出身。98年に大学院を修了後、出版社に入社。雑誌編集部に勤務の後、2009年からフリー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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