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噴飯中の皆様に告ぐ

2013年9月27日(金)

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 9月の24日、文化庁が2012年度の国語に関する世論調査の結果を公表すると、早速、民放各局の情報番組が、いくつかのネタを引用して、5分ほどの小コーナーを作っていた。ちなみに、記事はこちら。文化庁の調査結果はこちらだ。

 毎度のことだ。

「日本語の乱れ」
「カタカナ語の氾濫」
「敬語の誤用」
「慣用句についての思い違い」
「世代間のギャップ」

 こういうお話は、視聴者にアピールしやすい、と、少なくとも制作現場はそう考えている。

「最近の若いヒトは言葉を知らないから」
「噴飯ものの意味も知らないなんて噴飯ものですよね」

 おそらく、テレビ視聴者の多くは、自分より無知な人間が国民の多数派を占めているというふうに思い込んでいる。

 ん?
 ということは、平均的なテレビ視聴者は平均的な日本人より賢いのだろうか?
 真相はわからない。調べようもない。
 ただ、無知な人々の多くは、自分より無知な人間が多くないという事実を知らないのだと思う。

 自分自身の話をすれば、私は、必ずしも語彙の豊富な書き手ではない。
 漢字の読み書きもどちらかと言えば苦手だ。
 テレビでやってる「漢字博士バトル」みたいな企画に担ぎ出されたら、かなり盛大に恥をかくことになるはずだ。
 事実、用字用語や慣用句の使い方について、校閲からゲラ経由で誤りを指摘された経験は、それこそ数えきれない

 なので、ひとこと、例にあげられた慣用句について、それを誤用する人たちを擁護する文章を書いておきたい。

 「国語に関する世論調査」の中で、とりあげられている慣用句は、いずれも「字面から自然に類推される意味内容と、辞書の上で正しいとされている用法の間に、著しく齟齬のある言い回し」なのだと思う。
 ということはつまり、例に挙げられた慣用句は、どれもこれも「出来の悪い言葉」なのであって、誤解を恐れずに言うなら、そんなものは、誤用されて当然なのである。

 無論、誤用する人々の側に責任がないわけではない。
 しかし、全国民のうちの半数以上が、正しい用法よりも誤った使い方のほうを採用しているのであるとすれば、問題は、人々の側よりも、言葉の側にあると考えなければならない。とすれば、人々の誤用の主たる原因は、その慣用句が、「誤解を招く表現」である点に帰せられるべきなのだ。

コメント49

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「噴飯中の皆様に告ぐ」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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