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通勤電車のスマホから見える景色

2013年10月11日(金)

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 週刊朝日の編集長が更迭された

 編集長氏は、単に職を解かれるにとどまらず、あわせて、懲戒解雇処分に付されている。
 おそらく、背景には、のっぴきならない事情があったのだろう。

 が、その懲戒解雇の事由とされる「重大な就業規則違反」の具体的な内容は、明らかにされていない。
 朝日新聞によれば、「関係者のプライバシーに関わるため」、詳細については「公表は差し控える」のだそうだ。

 なるほど。
 了解した。

 関係者のプライバシーに配慮して、当方も、解雇の理由は、あえて詮索せず、ろくでもないことがあったのだろうと、思いを馳せるにとどめておくことにする。

 新聞および雑誌は、他人の身に起こったろくでもないことを取材報道するメディアだ。が、自身の身の回りに発生したろくでもないできごとについては、必ずしも取り扱う気持ちを持っていない。今回のことで、それがよくわかった。 

 「雑誌」については、ここ数年、ろくなニュースがない。
 電車の中で週刊誌を開いている乗客が、ほぼ消滅してしまっている現状を見ても明らかな通り、雑誌は、どこの会社の何という名前の本がどうだということではなくて、業界ならびに業態ごとひっくるめて、断末魔の苦境に立ち至っている。

 発行部数が伸び悩んでいるだけではない。
 より深刻なのは、読者の年齢層が高齢化していることだ。

 このまま行くと、雑誌を読まない世代は、今後さらにその割合を高める。とすると、雑誌の10年後は、今よりもさらに暗い。
 なにしろ、一番発行部数の多い総合週刊誌にしてからが、誌面のど真ん中に見開き4ページに及ぶ墓地墓苑の特集広告を掲載している始末だ。

 墓地を求めることがよろしくないと言っているのではない。
 墓地墓苑やヒアルロン酸や養毛剤や開運印鑑の想定購買層をターゲットに誌面を作り続ける作業が、若い編集部員を疲弊させるのではなかろうかと思って、私はそのことを懸念している。

 これが一時的な苦境なら、記者やライターの頑張りで、なんとか克服できるかもしれない。
 が、いま直面しているこの事態は、長期低落傾向の長い下り坂の途上にある苦境で、その販売の低迷は、一編集部の失敗というよりは、どうやら雑誌というジャンルをまるごと襲っている末期症状を意味している。とすると、その暗い予測は、結果として、非常に良くないスパイラルを招来する。

 具体的に列挙すれば、発行部数の低下→広告営業の不振→収益の悪化→編集部の縮小→外部協力スタッフの首切り→特集記事の質的劣化→電話取材記事の横行→中吊り広告の羊頭狗肉化→誌名ブランドの信頼低下→発行部数の低下に戻る----と言った感じのフローチャートがループする事態になるわけだ。

 ついでに言えば、「ネットの書き込みを収集しただけのキメラ編集記事の横行」「明日なき高齢セックス特集企画への依存」「中韓誹謗アジテーションの増加」「警鐘乱打特集の乱発」みたいな傾向も顕在化しつつある。

コメント36件コメント/レビュー

雑誌が衰退するのはそうだが、朝日的な「左翼」言論に対する「需要」がないのですよ。週刊「旭日」でも創刊して、中韓の内情を知る朝日の記者が、それを批判的に書けば売れるよ。(2013/10/14)

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「通勤電車のスマホから見える景色」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

雑誌が衰退するのはそうだが、朝日的な「左翼」言論に対する「需要」がないのですよ。週刊「旭日」でも創刊して、中韓の内情を知る朝日の記者が、それを批判的に書けば売れるよ。(2013/10/14)

先日、日本語の活字が恋しくなり、トンカツ屋で昼食がてら週刊誌を眺めていたのですが、内容が移住する10年近く前と全く変わっていないのに驚きました。編集方法やデザイン、採り上げている話題(中国バブルが弾けるって・・・10年前から警鐘鳴りっぱなしですが)も変化なし。永遠のマンネリズムの中に生きている活字メディアに、日本社会への懐かしさを満喫して表紙を閉じました。(上海から)(2013/10/14)

雑誌の衰退に関しては論を待たないだろう。全ての物は新しい血を飲み続けない限り老朽化する。ビックコミックがオリジナルを生み、オリジナルがスピリッツを生み・・・と「バブリング創世記」よろしく増えて行ける内は良かったが増えることが出来なくなると老齢化して何時か居なくなる。建売住宅団地は老齢化する。高級分譲マンションは老齢化する。公団住宅だって老齢化する。専門誌だって老齢化する。ましてや日経ビジネスにおいておやだ。読者が老齢化する。私だって老齢化する。連載陣も老齢化する。小田島さんも老齢化する。編集者も老齢化する。編集長もおいておや。死して雑誌は何を残す?(2013/10/12)

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