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忘年会を全力で蹴り飛ばせ

2013年12月13日(金)

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 忙しい。
 毎年のことだが、12月は必ず忙しくなる。
 多くの同業者にとって事情は同じだと思う。

 出版業界に限らず、この国では、特段に「先生」と呼ばれる立場の人間でなくとも、師走になれば、誰もが走り回る羽目に陥る。そういうことになっている。

 忘年会に大掃除に事務所の模様替えとカーペットの張り替え。お歳暮の発送と礼状と賀状の行ったり来たり。本業とは無縁な、実に様々なカレンダーイベントが、わたくしどものスケジュールをいたずらに過密化している。

 しかも、忙しいだけで生産性はいたって低い。

 師走の巷を走り回っているわれわれは、降り掛かってくる日程をこなすばかりで、これといった何かを成し遂げているわけではない。形のあるものを生産しているのでもない。ただただ予定表にあらかじめ書き込まれているいけ好かない予定に振り回されながら、誰もが皆、少しずつ疲弊している。

 でもって、まるで、すべての日本人が疲弊しないと正月が来ないと信じでもいるみたいに、われわれは、全国民をあげて、くだらないスケジュールの消化に血道をあげている。

 ヒマワリの種を巣材の下に埋めては掘り出すことを繰り返しているハムスターと、どこが違うというのだ?

 この3日ほど、電話が鳴り続けている。私は、電話に向かってずっと何かをしゃべっている。

 通話の内容は、忙し過ぎて何もできずにいることについての釈明と、釈明に追われて何もできない現状を訴える弁解のリピートなのだが、当たり前の話かもしれないが、誰もわかってくれない。

 書き込まれている予定の多くは、不要なものだ。
 というのも、師走の日程は、10月の段階で既に埋まっているみたいな、鉄板の恒例行事だらけだからだ。

 たとえば忘年会。
 課の忘年会とプロジェクトの打ち上げと隠れ派閥勉強会の親睦カラオケイベントが一日おきに配置されていたりする。

 いったい誰がそんなものに出席して肝臓を痛める展開を切望しているというのだ?

 企画の段階で欠席を申し出ると、いかにも会合の枠組み自体を嫌ってるみたいでカドが立つ。だから、出欠を問われた時点では、一応出席の意向を伝えておく。でも、内心では、当日までになんとかそれらしい理由を捏造して欠席に持ち込もうと考えている。そういう宙ぶらりんの出欠事案が12月の中旬から下旬にかけて5つぐらい並んでいる。

 しかし、だ。
 仮に、うまい理屈をこしらえて三日前ぐらいの段階で欠席に持ち込むことに成功したのだとして、そういう場合、会費はどうしたらよいのだ?

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「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「忘年会を全力で蹴り飛ばせ」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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