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事故後も電力業界は変わっていない

『原発ホワイトアウト』覆面作家の告発

2013年12月13日(金)

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 電力会社と政治家、官僚による癒着の中で原子力政策が進められていく様を描いた小説『原発ホワイトアウト』(講談社)が話題になっている。15万部を超えるベストセラーだ。

 著者は若杉冽(れつ)という覆面作家。東京大学法学部卒業、国家公務員1種試験合格、現在霞が関の省庁に勤務していることだけが明らかにされている。内部告発だけに具体的に政官財の癒着の闇に迫っている。特に官僚の振る舞いに関しては記述が細かい。若杉冽氏に執筆の狙いなどを聞いた。

どんな立場で原子力政策に関わってきましたか。

若杉冽氏(以下、若杉):霞が関で働いていますから、直接的にも間接的にも様々なことを見聞きする立場にありました。

 昨年末に政権交代した後から執筆を考えました。自民党政権が原子力発電所の再稼働にどんどん進んでいく中で、民意とはずれているなと。本当にこのままでいいのかと疑問を持っている人は多いと思います。2回の選挙を経たとはいえ、(原発に対する)国民の考えは変わったのでしょうか。7月の参院選挙の1カ月前には原稿を書き上げていました。

告発本ではなく、小説の形にしました。

若杉:私が直接聞いた話を流せば国家公務員法の守秘義務で問題があるかもしれません。間接的に聞いた話は裏がないと誰も書かないですよね。でも裏がない話はすべて嘘かというとそれは事実ではない。真実と報道の間に大きな段差があり、そこに落ちている情報がたくさんある。合法的な範囲でそれをお伝えしたいと考えて、小説を書きました。

 原発事故後、各メディアが努力して情報をとっています。役所の中でも(原発推進に)おかしいなと思っている役人(官僚)がいるので、役所の情報が流れてくるわけですよね。私も形を変えてそういうことをしているのかもしれません。

電力会社が利権で政策を動かす様子を描いています。どの程度事実なのでしょうか。

若杉:私が見聞きした事実はそうでした。もしかしたら違うかもしれません。そういう抑止力を示されて、そうだと思っている役人がいるのは事実です。直接、間接で見聞きしたことをつなぎ合わせた情報を書きました。役人同士なら情報交換はしたりしますよ。裏を示して下さいと言われると、ある人から聞いただけだから、その人が否定したら裏はなくなってしまうでしょう。役人はみんな生活者ですから、現状の政策に反対するような主義信条を持っている人はいますよ。霞が関の中でも改革派と守旧派のせめぎ合いがずっとあります。

 私も直接ハンドルしたわけではないので分かりませんが、電力が金で政治を買っているすごさ、手法はお伝えする価値があると思います。小説ではそれを「モンスターシステム」と呼んでいます。これを読んだ人は無力感を感じるかもしれませんが、人が作った仕組みですから変えられるはず。競争している会社の政治献金ならまだ分かるのですが、地域独占会社に不透明な政治献金を認めたらモンスターシステムが生まれてしまう、という問題提起です。

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「事故後も電力業界は変わっていない」の著者

大西 孝弘

大西 孝弘(おおにし・たかひろ)

日経ビジネス記者

1976年横浜市生まれ。「日経エコロジー」「日経ビジネス」で自動車など製造業、ゴミ、資源、エネルギー関連を取材。2011年から日本経済新聞証券部で化学と通信業界を担当。2016年10月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ビル・エモット 英エコノミスト誌元編集長