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友達が減っていくのが、大人の証です。

2014年1月17日(金)

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 今年の成人の日は、所用があって、自転車で都内を走り回っていた。

 サドルの上から街場の風景を眺めてみるに、成人式に振り袖を着る女子の数は、明らかに増加している。

 理由のひとつは、振り袖の値段がリーズナブルになったかららしい。
 たしかに、私が新成人だった当時は、和装一式の値段は数十万円が相場だった。
 レンタルでさえ、着付けとコミで数万円は下らなかったはずだ。

 それがいまは、50万円を超える値段のブツは、むしろ少数派になっているのだそうで、なるほど、そういう意味では、うちの国の経済と文化は、少しずつでも健全化しつつあるということのかもしれない。

 そんなことより、前々から私が不思議に思っているのは、成人式に集まる新成人の出席率が、年々高まっているように見えることだ。

 聞くところによると、記念品の贈呈が廃止され、式典に費やす予算を節約する自治体が増えているにもかかわらず、成人式への出席率は、平成に入って以降、おおむね右肩上がりのカーブで推移しているのだそうだ。

 で、この成人式の隆盛化傾向については、「若者の参加意識の向上」「連帯意識の高さ」というふうに説明されることが多い。
 現代の若者は、地元を愛し、仲間を大切にする傾向が強いというのだ。

 私は、その説明を疑っている。
 具体的にどう疑っているのかと言うと、私は、

「大人になってないから群れたがるんじゃね?」

 ぐらいに考えているのだ。

 失礼な見方だと思うだろうか。
 あるいは、年寄りの偏見に過ぎない、と。
 でも、自分が新成人だった当時の気持ちに立ち返って考えてみても、やっぱり

「バカじゃねーの」

 と思ってしまうのである。

 もっとも、私が若者だったのは、成人式がもっともバカにされていた時代ではあった。
 全共闘運動が吹き荒れた後のガレキがまだそこいらへんに散らかっていたその当時、公(おおやけ)に連なる式典や集会の類は、どれもこれも一緒くたに冷笑されていた。
 なので、私自身、成人式には顔を出していない。

 忙しかったとか、アルバイトがあったとか、そういう話ではない。
 アタマから「くだらない」と決めてかかって、黙殺しただけだ。
 私は、自宅で寝ていた。よくおぼえている。私はとても退屈していた。それでもなお、成人式には行かなかったのだ。

コメント80件コメント/レビュー

「今どきの若者は」式の記事ですね。オダジマさんの世代も、成人式の日に自宅でふて寝するような若者に対して、オジサンの年代から、嘆きが出たはずで、今回の記事も同じ流れですね。正直、がっかりしました。(2014/01/22)

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「友達が減っていくのが、大人の証です。」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「今どきの若者は」式の記事ですね。オダジマさんの世代も、成人式の日に自宅でふて寝するような若者に対して、オジサンの年代から、嘆きが出たはずで、今回の記事も同じ流れですね。正直、がっかりしました。(2014/01/22)

子供だから群れるんじゃなく、(立場が)弱いから群れるんですよ。群れる魚は子魚じゃないでしょ、小魚。さっき、中国で老人に冤罪をかけられて損害賠償を請求された青年が自殺したという記事を読みましたが、日本も同じ。高齢者という(既得権が)強い肉食魚に囲まれてこわいから群れる。他に自分を守る方法がない。それだけ。強制加入の社会保険の世代間格差とかもうね。若年層は自分達が高齢層に食い殺される立場の人間だとわかってる。それだけ。オダジマ氏の時代の若者は人口に占める割合が多かったでしょ。民主主義において数が多いというのは(立場の)強さそのもの。自分達はオトナだった顔されましても。(2014/01/22)

記事に激しく同感!する20代後半です。自分が成人する頃、たまたま国外にいたので式にはいきませんでしたが、おそらく着飾って友達に会うのが楽しいがためにいったでしょう。翻って今の私は結婚して子持ち。あのころの友達が本当の友達だったか、というと全然違う気がします。自分がどん底の状況にいたときに、手を差し伸べてくれた人は結局その中の一人にもいなかった。結局つるむが楽しいためにいただけの中途半端な「仲間」だったわけですね。今は著しく友達と呼べる人が1人、2人だけに残されただけですが、どの友情が本物か分かって、自分としては良かったです。(2014/01/22)

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三品 和広 神戸大学教授