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かける前にかかるのが「圧力」だ

2014年1月31日(金)

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 NHKの新会長が就任会見で失言を繰り返したニュースは、その日のうちに世界中に配信された。

 慰安婦に関連する発言が穏当さを欠いていたことは、あらためて指摘するまでもない。ほとんど同じ趣旨のコメントを発した橋下徹大阪市長が、何度も言葉を変えて真意を説明しようとしながら、その度に袋叩きに遭ってきた経緯を振り返れば明らかだ。

「オランダにいまでも飾り窓があるのはなぜか?」

 という的はずれな問いかけも、苦笑いとともに黙殺しておくことにする。オランダ国民がどういうふうに受けとめるのか、若干心配ではあるが、私が問いただしてどうなる話題でもない。ご本人が、全世界に向けて開かれた窓の中で、窓越しの視線を浴びながら考えれば良いことだ。

 謝罪の仕方が、例によって「誤解を招いた点は……」という当節流行の形式を踏んでいた件については、ほかのところで取り上げる予定なのだが、短く触れたい。

「誤解を招いた点は大変に申し訳ない」

 というものの言い方は、責任を視聴者の読解力に転嫁した語法だ。
 謝罪というよりは、開き直りに近い態度だ。

 この人に限らず、うちの国の(もしかしたら世界中の)組織のトップには、自ら招いた失態について、素直に謝罪できないメンタリティの持ち主が多い。
 理由は、たぶん、彼らが、「簡単に謝る人間」だと思われたくないと考えているからだ。

「ちょっとしたことで尻尾を巻く弱腰な男の命令に、どこの部下が従うというんだ?」

 と、ボスは、外部に向けての謝罪の問題を、組織内におけるガバナンスの問題に読み替えて対応している。

 というよりも、そういうストーリー(「ここはオレが泥をかぶってアタマを下げておくぞ!」みたいな)に乗っかって考えないと、謝罪のポーズを取ることすらできないのだ。

 ボス個人の思惑としては、

「ああやって、会長が泥をかぶってアタマを下げてくださっている」

 と、部下たちにそう思ってほしいのだと思う。
 要するに、マッチョなのだね。骨の髄まで。

 マッチョが強がるのは、当人にしてみれば、ごく自然な反応だ。
 他人が指摘してどうなるものでもない。
 だから、これ以上は、言わない。

 問題は、マッチョの側にではなくて、マッチョの下で働いている人々の側に生じている。
 私が、今回の一連の出来事に関連して、失望を感じたのも、まさにその点だった。

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「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「かける前にかかるのが「圧力」だ」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官