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遊びの宗教的な起源

遊ぶ[10]

2014年3月13日(木)

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古代からの遊戯の伝承

 前回ご紹介しました古代のエジプトやローマのじゃんけん遊びにみられるように、現代の子供たちがごく普通にしている遊びには、実は長い伝統があるのかもしれないのです。今回は、文化人類学の視点から、人類にとって古代から遊びがどのようなものだったかを考えてみましょう。

 古代から人間たちがさまざまな遊びをしてきたことは、骰子や盤を使った遊戯の存在を示す遺物が多数出土していることからも明らかです。とくに古いのは、動物の骨などを使った骰子の遊びと、双六に代表される盤上遊戯でしょう。

 骰子として使われたのは、表と裏が明確に識別できるものでした。現在の骰子は、正六角形をしていて、一から六までの目がでますが、基本的に古代の中国の易でつかった筮竹のように、陽と陰が区別できれば、ゲームは可能になります。ゼロか一か、丁か半か、人間はこの二分法がとても好きなようです。

 やがて大型の動物のくるぶしの骨を使った骰子アストラガルスがつくられました。これは四つの選択肢を利用することができるものであり、イスタンブールの博物館には、紀元前七〇〇〇年のアストラガルスがいくつも展示されているそうです[1]。そして双六に使う盤も、きわめて古い時代のものが残されています。すぐにお分かりいただけると思いますが、この二つは組み合わせて使うことができます。双六で駒を進める枡目の数は、骰子で決めることが多いからです。

豊年祈願の遊戯

 この骰子と盤を使う遊戯は、現代でも一向にすたれることのない遊びですが、これらの遊戯には、すたれないで受けつがれるだけの要素があったのです。それではどのような遊びが、どのような理由で受けつがれるのでしょうか。

 そのことを考えてみるための手掛かりとして、現代の文化人類学者が記録している興味深い遊びがあります。中南米のマヤ族の後裔とみられるモパン族という民族が行う豊年祈願の儀式で行われる遊びです。この遊びでは、大地と木の神に祈祷し、供物をそなえた後で、地面に一本の線を引きます。主催者がトウモロコシの粒をいくつか取り出して、この線の上に五センチくらいの間隔で置きます。これが双六の一つの枡目の境界になるわけです。ゲームの参加者は、近くの草の茎をもってきて、自分の持ち駒とします。

 これはごく簡単な双六の遊びのようなものです。骰子として使われるのは、四粒のトウモコロシで、粒の片側を黒く塗ってあります。塗っていない側が白です。そして四つの粒を投げて、すべて黒だと一点、一つ白だと二点、二つ白だと三点、三つ白だと四点、すべて白だと五点と数えます。六角形でなくても、陰と陽で、一から五までが簡単に数えられるのです。

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「遊びの宗教的な起源」の著者

中山 元

中山 元(なかやま・げん)

哲学者、翻訳家。

1949年生まれ。東京大学教養学部教養学科中退。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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