• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

四大古代文明における遊びと宗教性

遊ぶ[11]

2014年3月20日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

古代文明と遊び

 遊びは、人間が生存の欲求を満たした後に始まり、古代からつづけられてきたもっとも古い営みの一つでしょう。人間は生き延びなければなりません。そのためには食べて寝なければなりません。さらに子孫を残さなければなりません。しかし衣食住と生殖の欲求が満たされた後は、人間たちは遊び始めたはずです。

 そのことは、四大文明が構築された場所では、どこでもきわめて多様な遊びの記録が残されていることからも明らかです。人間の文明の発祥の地は、大河に恵まれた地域、とくにナイル川流域のエジプト、チグリス・ユーフラテス川流域のメソポタミア、インダス川流域のインド、黄河流域の中国とされています。前回は文化人類学的な見地から遊びについて調べてみましたが、今回は遊びの歴史学を一瞥してみましょう。そしてそれぞれの文明における遊びと宗教性の関係を考察してみましょう。

エジプトの遊びと子供の玩具

 エジプトで注目されるのは、神殿や墓などの多数の壁画から遊びが再現されていることです。こうした遊びの多くは、道具などを必要としない神への奉献の踊りやレスリングなどの遊びでした。これらの遊びは、遺物を残さないために、こうした記録がなければ消失してしまったはずのものです。すでに遊びは宗教的な信仰心と深い結びつきがあることは確認してきましたが、それぞれの文明で、とくに好まれる遊びがあったことが分かります。

 エジプトはとくに、このような神への感謝の祈りとしての舞踊が、重要な遊びとして好まれたようです。それはミイラによって死者が生前の身体をそのまま維持して彼岸にわたると考えられたことと深い関係があるはずです。多数の遺物も同時に葬られましたが、身体だけで神に感謝を示すには、何よりも舞踊が適しているわけです。

 遺物が残っている遊びでは、毛髪をつけた人形、「赤子をあやすための鶏の形やランプ状のガラガラ」[1]、木彫りの動物に四つの車をつけた玩具などが注目されます。現在でも幼稚園などにたくさん動物の形をしていて、その上に乗れるものが造られていますが、これらは遠くエジプト起源のようです。たんに上に乗れるだけでなく、ライオンの下顎に紐がついていて、紐を引くと顎が音をたてて開閉するものがあるなど、なかなか手がこんでいます。エジプトの宗教では動物がそのまま神になることが多かったのですが、それだけに人間の生活に動物がつねに親しいものとして感じられていたのでしょう。

メソポタミアの宇宙的な遊戯

 メソポタミアの遊びでは、盤上遊戯がとくに注目されます。メソポタミア文明は文字の発明で有名ですが、文字を記録するために使った粘土板は、遊戯の盤にも活用できたのでしょう。とくに有名なのが、サソリ人間の形をした遊戯盤です。上半身は両手を上げた人間の形で、下半身がサソリの尾の形をしています。両手が双六のそれぞれのチームの陣地となり、尾の部分は共有の升目だったのでしょう。

コメント0

「中山元の哲学カフェ」のバックナンバー

一覧

「四大古代文明における遊びと宗教性」の著者

中山 元

中山 元(なかやま・げん)

哲学者、翻訳家。

1949年生まれ。東京大学教養学部教養学科中退。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック