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アゲハはもう飛ばない

2014年4月18日(金)

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 女性誌「小悪魔ageha」などを出版していたインフォレストが、4月15日付けで事業停止した。

 幸か不幸か、私はインフォレストとは付き合いがなかった。
 なので、義理のある人間はいない。不払いその他のトラブルも発生していない。
 同社の出版物の読者だったこともない。

 とはいえ、出版業界に関連するこの種の出来事(「倒産」ということですが)には、慣れることができない。
 毎度のことではあっても、必ず、一定のダメージを受ける。

 近親者の訃報。
 知人の入院。
 雑誌の休刊。
 出版社の消滅。

 年を取るということは、周囲の環境が衰えるということでもある。
 小悪魔は、美魔女にはならなかった。
 彼女たちは、年を取るぐらいなら、むしろ、消えることを選ぶキャラクターだった。
 それはそれで、筋を通したということになるのだと思う。

 伝えられているところによれば、「小悪魔ageha」は、ピーク時の2009年3月期には売上高74億9600万円を計上している。それが、販売部数や広告収入が減少して、12年3月期には43億7900万円にまで落ち込んでいたのだそうだ。
 たしかに、ピークとされている5年前の時点では、「小悪魔ageha」は、テレビでも度々話題になっていて、雑誌出身のモデルさんが、画面の中で派手な髪型を披露したりしていた。

 当時、何かの調査で、女子中学生の「将来なりたい職業」のナンバー1が、キャバ嬢になっていたことを記憶している。

 もっとも、私は、そのアンケートの結果を鵜呑みにしたわけではない。
 中学生は、オトナが実施するアンケートに、マトモに答えないものだ。
 それでも、多くの女子中学生にとって、キャバ嬢が、特段に避けるべき職業と見なされなくなっていることが、調査の結果から読み取れた。

 アンケートをバカにして、不真面目な答えを書き込む場合にでも、中学生は、わざわざ大嫌いな未来を書くことはしない。
 彼女たちは、キャバ嬢に悪いイメージを持っていなかった。
 あの雑誌は、水商売の女性の地位をジャンプアップさせたのだと思う。

 とはいうものの、結局のところ、小悪魔ブームは一過性だった。
 一時は、渋谷や新宿あたりを集団で歩いていた「盛り髪」のageha嬢たちも、この2年ほどは、ほとんど目撃できなくなっていた。

 ブームである以上、いずれ消え去ることは、先刻承知だ。
 ファッションの世界では、2年前に最先端だった流行は、流行する前よりももっとカッコ悪い風俗に成り下がる。

コメント29

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「アゲハはもう飛ばない」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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