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遊びの第三の機能 子供の社会生活

遊ぶ(22)

2014年6月5日(木)

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「遊び」と「仕事」

 このように遊ぶことは、子供たちにとっては、地域の子供たちの仲間に入れてもらえるかどうかを決定するような意味をもっていました。それは子供たちにとっては自分の生活がかかった死活問題でもありました。ただしこれはある意味では大人にとっても、あてはまることでしょう。仕事と結びついた「遊び」というものもあるでしょうし、どのような「遊び」ができるかが、その人の社会的な生活を規定し、表現し、可能にするということもあるでしょう。

 ゴルフという「遊び」ができなければ、ろくに仕事にならない人もいるでしょうし、カラオケで歌わなければ、同僚たちから仲間はずれになる人もいるかもしれません。「遊び」が、ときには「仕事」そのものよりも重要な役割をはたしたりすることもあるでしょう。仕事を離れた「遊び」の場でのつきあいが、仕事の上できわめて有益な機能を発揮することは、文学や映画などでも繰り返し語られてきました。とくに遊びの道具を賭ける種類の「遊び」では、誰もが競技に熱中するので、それぞれの人の本音がでることが多いので、こうした遊びをしてみること、相手のことがよく理解できるようになるということもあるでしょう。

独楽遊び

 前回の最後では、柳田がこうした賭けを含む「ねんがら」棒遊びに熱中して、遊び仲間たちからまきあげた獲物を、納屋の片隅にためこんでいたことをお話しました。このように相手と獲物を争う遊びは、とくに子供たちを熱中させるもののようです。ブリューゲルの絵の中から、そうした遊びをいくつか紹介してみましょう。ブリューゲルがとくに好んで描いたのが、独楽あそびでした。

 ラブレーの『ガルガンチュワ物語』の遊びのカタログでは一三七番「独楽まわし」のほかにも、一三八番「喇叭独楽」、一三九番「坊主独楽」の二種類があげられており、独楽遊びの歴史の古さを示しています。日本でも独楽あそびは平安時代からあるらしく、江戸時代には曲芸のように発達しました。糸や綱の上を独楽で渡らせたり、日本刀の刃の上で独楽をまわす芸など、人々の眼を驚かせる芸当が発達したようです。

 このような曲芸ではなくても、べーゴマなどのあそびでは、相手のベーゴマを押し出したり、相手のベーゴマよりも長い間倒れずにいることで、相手のベーゴマをとることができました。こうした「勝負独楽」は、練習すれば自分の腕を認めてもらえるので、子供たちにとっては、集団の中で自分の地位を確保し、あらたに築く上でとても大きな役割をはたしたのです。

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「遊びの第三の機能 子供の社会生活」の著者

中山 元

中山 元(なかやま・げん)

哲学者、翻訳家。

1949年生まれ。東京大学教養学部教養学科中退。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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