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遊びの第四の機能 制裁

遊ぶ(23)

2014年6月12日(木)

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共同体の制裁

 遊ぶことにはこのように、子供が自分の生活空間を作りだすという重要な役割がありますが、同時にこうした遊びにはその仲間のうちの一人を選びだして、それを「鬼」にして、いじめる遊びが含まれるのが常でした。

 もちろんこの「鬼」の遊びでは、だれもが鬼になるかもしれず、鬼のだれもがやがては鬼でなくなり、別の人を鬼にするという意味では、平等なものであり、ふつうの意味での「いじめ」ではありません。特定の個人をそのために選びだすのではないのです。それでも遊びのなかにはつねに、こうした仲間の一人を「選びだし」、それをいじめるという要素が含まれることが多かったのです。遊びの第四の機能としては、共同体による制裁という機能を考えることができます。

目隠し鬼ごっこ

「子供の遊戯」(部分)

 ブルューゲルの「子供の遊戯」でも、いくつもの重要な遊びがこうした要素を含んでいます。たとえば「目隠し鬼ごっこ」では、七人の子供たちが遊んでいて、この遊びの人気の高さを示しています。

 鬼になった子供は青い布を頭からかぶせられて目隠しされて、グルグルと回されて方向感覚がなくなります。そして鬼でない子供がやってきて、鬼はそのこの名前をあてるのです。声をだしてはすぐに分かってしまうので、この場合には声をださないで、その子供の名前を当てるのでしょうか。それとも声を変えるのでしょうか。

各国の目隠し鬼ごっこ

 この遊びは古代ギリシアからあり、ギリシアでは「青銅の蠅」と呼ばれていたそうです。「子供たちは目隠しされた鬼の回りを陽気に声をたてて飛び跳ねながら、鬼と対話する」[1]そうです。この場合には対話しているのですから、子供の名前を当てるのではなく、つかまえる必要があるのでしょう。

 ドイツでは、「スプーン探り」という遊びがあり、「目隠しされた鬼がスプーンでだれかの頭や顔をなで、その名を言い当てる」[2]といいます。日本では、「目かくし」の遊びがあり「児童のなかの一人の鬼を定め、手拭いを折り畳みて目を覆い、次に他の者これを背負いたるまま数回旋転して方角を失わしむるようにし、適宜の地に運びて鬼を地に下ろし、〈此所どうこ〉と尋ねて鬼の答え当たらざる時は、又そのまま背負い歩行きて前のごとくし、もし当たりし時は順次にかくのごとくなすなり」[3]といいます。

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「遊びの第四の機能 制裁」の著者

中山 元

中山 元(なかやま・げん)

哲学者、翻訳家。

1949年生まれ。東京大学教養学部教養学科中退。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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