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東大に本気で入れると思ってたあの頃

シーズン5 小石川放浪編・第3回

2014年7月8日(火)

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「人生の諸問題・放浪編」。お2人が小石川高校時代にたむろっていた喫茶店からスタートして、六義園、東洋文庫、母校、雀荘と歩いています。今、2人が立っているのは、文京区西片の住宅街の中にある一軒家。

クリエイティブディレクター 岡 康道氏、コラムニスト 小田嶋隆氏

:ここ、この家。ここをもう一度見ておきたかったんだよ。

小田嶋:あ、これBの家。

:ここへは、よく通ったんだよ。金曜日とか。

小田嶋:金曜日でなくても通って、溜まっていた。

:だから次の日の午前は休んでいい、という日は行っていたよね。で、麻雀をしたり、音楽を聴いたりしていた。

表札のお名前は違うようですが、今も住んでいらっしゃるのでしょうか。

:いや、Bはその後、おやじさんが倒産したか何かで引っ越しちゃったんだよね。

人生の諸問題が、Bさんの身の上にも起こったということですね。

小田嶋:いたるところ、諸問題だらけなんです。

(そうこうしているうちに、東大の正門前にたどりつく)

小石川高校から東大正門って、なかなか近いんですね。

:そうなんだよ。

小田嶋:俺らの時代の都立の学校群制度では、41群が小石川高校と竹早高校で、受かったらどっちかに振り分けられていたんだよね。

:竹早高校は女子が多かったでしょう。

小田嶋:前身が府立第二高女ですからね。学校群制度を作った時に、同じ群に旧制の府立中学と高等女学校とを混ぜることが多かったそうだから。竹早は旧・高女だったから、受験校というよりは女子校のムードがただよっていた。

:小石川はもともと男子校だから、女子はいるんだけど、何か気分として男子校だったよね。高校受験の時、自分が竹早に行くかもしれない、ということって考えた?

東大に行くと、何の疑問もなく思っていた

小田嶋:俺、考えなかった。

:俺も。受かったら小石川なんだろうな、と思っていた。

小田嶋:しかも小石川で東大なんだろうな、とかなり思っていた。

確かに近いですものね。

小田嶋:いやいや、そういう意味ではなく。で、えっ、俺、東大行けないの? みたいな気持ちは、高校2年の時には持っていた。それでも、じゃあ3年になったら頑張るか、みたいに、ちょっと遠い気持ちでは行く気でいた。

小田嶋さんは、その遠い気持ちと事実とに、どうやって決着をつけたんですか。

小田嶋:高校3年生になってしばらくして、じゃあ、そろそろ東大に行くために動きださなきゃな、と思った時に、Bの家に何回か泊まりに行って、教えてもらったんだよ。

:Bは何しろ文京区出身だから(前回参照)、勉強ができたんだよ(笑)。

小田嶋:それでBが、「じゃあ、まずこの問題をやってみろ」って、使っていた問題集を出してきたんだよ。それを見て、俺はまったく分からなくて、「じゃあ、こっちはどうだ」って言われた、もっと初歩の問題も分からなかった。

 「お前、分からないのか? ……これが分からないやつに、俺が教えることはできないよ」ということになり、その時に、今まで勉強しないから点が取れないんだ、と思っていた俺は、もしかしたら勉強してもできないのかもしれないな、と初めて気がついた。

…。

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「東大に本気で入れると思ってたあの頃」の著者

岡 康道

岡 康道(おか・やすみち)

クリエイティブ・ディレクター

1956年生まれ。佐賀県嬉野市出身。80年早稲田大学法学部卒。同年、電通に営業として入社。85年にクリエーティブ局へ異動。99年7月クリエーティブエージェンシー「TUGBOAT」を設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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