• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

遊びの第四の機能 制裁(2)

遊ぶ(24)

2014年6月19日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

尻打ち

 このように子供たちの遊びには、なぜか「罰ゲーム」のような遊びが含まれることが多いのです。前回の「目隠し鬼」のゲームには七人もの子供たちが集まっていて、こうしたゲームの魅力を示していますが、ブリューゲルの「子供の遊戯」の「尻打ち」の遊びにも、七人の子供たちが参加しています。この遊びでは、四人の男の子たちが一人の男の子の両腕と両足をそれぞれ抱えて、梁のような材木の上で揺らしながら、お尻をこの材木にあてる罰ゲームをしています。罰を加えられている子供は恐怖のためか、顔がひきつっています。

「子供の遊戯」(部分、以下同)

 この遊びは二つのチームに分かれて行ったゲームで、負けたチームの子供たちにたいする罰として行われているようです。よくみると、見物している二人の子供の一人は、眼を見開いて、心配そうです。次は自分かもしれないわけです。

 研究によりますと、この遊びは「大酒呑みの罰」で、ローマの酒の神バッカスにまでさかのぼることができるといいます。「ワインを飲み、ぶどうの樹を植えなかった者は、残酷なやり方で揺さぶられる」[1]といいます。働かず、酒だけ飲んだ者への罰ということでしょうか。

髪の毛むしり

 この絵では、同じように多数の子供たちが参加している罰ゲームとして、「髪の毛むしり」があります。この遊びでも真ん中に立たされた子供の髪の毛を、周囲の四人の子供たちがむしっています。これはやられるほうは大変ですね。

 興味深いことに、一五四〇年の時祷書にすでにこの遊びが描かれているそうです。これは伝統的な罰ゲームなのかもしれません。さらに一六世紀半ばのフランドルのステンドグラスにも、草叢に座らされた男の子の髪の毛を女の子たちがむしっている遊びが描かれているといいます。男の子は両腕を胸の前に組んでじっと耐えている様子なので、たんに罰ゲームというよりも、それを耐えることに意味がある遊び、たとえばイエスが茨の冠をかぶらされたのと同じような由緒のあるいじめ遊びなのかもしれません。

コメント0

「中山元の哲学カフェ」のバックナンバー

一覧

「遊びの第四の機能 制裁(2)」の著者

中山 元

中山 元(なかやま・げん)

哲学者、翻訳家。

1949年生まれ。東京大学教養学部教養学科中退。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「絶対これしかありません」というプランが出てきたら、通しません。

鈴木 純 帝人社長