• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

美しきニッポンの本音

2014年6月20日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 最初に新聞記事を引用する。

《東京都議会の本会議で18日、みんなの党会派の塩村文夏(あやか)議員(35)が、女性の妊娠・出産を巡る都の支援体制について一般質問をしていた際に、男性の声で「早く結婚しろよ」「子供もいないのに」などのヤジが飛んだ。同会派は、議員席からだったとして「公の場でセクハラ発言を受けた」と反発。発言議員を特定し、注意するよう議会運営委員会に申し入れる--略--》(以上:毎日新聞6月19日朝刊。ソースはこちら

 当件については、

「あきれた」

 という以上の感想は述べないことにする。
 個人的な論評を付け加えてどうなる問題でもないからだ。
 感想は、記事を読んだ上でそれぞれの裁量で処理してください。
 ゲロ袋も、各自用意してくださるとありがたいです。

 どっちにしても、バカにつけるクスリは無い。
 バカを覚醒させる薬剤が存在するという話もあるにはある。が、覚醒したバカが無害であるとは限らないわけで、だとすれば、うかつな治療はかえって逆効果だ。

 北区選出のさる都議会議員が自身のホームページの中で明らかにしているところによると、ヤジのひどさもさることながら、議場では、その下劣なヤジにどっと笑いが起こっていたのだそうだ。
 目に浮かぶようだ。
 誰がどんなヤジを飛ばしたからその議員を特定して処分をどうこうとか、そういう話をする以前に、議会を満たす空気の殺伐さに圧倒されて、ものを言う気力が湧いて来ない。

 ……と、こういう話をすると、

「なにを上品ぶってるんだか」
「パチパチパチ。さすがは女性の権益に敏感な文化人さまですね」

 みたいな反応が返ってくることになっている。
 それもこれも21世紀のお約束だ。

 ヤジが下品であること自体については、おそらく、ほとんどすべての日本人が賛成してくれると思う。

 あの下衆で下世話で下劣な不規則発言を真正面から支持擁護称賛応援しようという都民は、23区から郡部島嶼をくまなく捜してして歩いても、何十人とは見つけられないはずだ。

 それでも、下劣なヤジが下劣である旨を指摘する人間に反発する都民の数は、そんなに少なくない。

 なんというのか、「下劣なものの下劣さを指摘している人間の正義の構え」の中に、「正義の立場に立つ者に特有な自己陶酔」を嗅ぎ取るみたいなドヤ顔の本音主義者が、ネット言論の周縁部に蟠踞していて、彼ら「偽善」が大嫌いな論客の皆さんは、

「じゃあ、あんたはサバンナでも同じことが言えるのか?」

 であるとか

「一度も罪を犯したことが無い者だけが石を投げなさい」

 であったりする十年一日のテンプレートディベートで、今日もご清潔なご意見を葬り去ろうとしているからだ。 

コメント57

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

一覧

「美しきニッポンの本音」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック