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W杯の荒海に沈む

2014年6月27日(金)

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 W杯がはじまって2週間が経過した。

 体調は、予想されていたことではあるのだが、かなりよろしくない。

 深夜から早朝にかけての観戦と、昼の間のランダムな昼寝の繰り返しで、睡眠のリズムが乱れている。
 感情の起伏も、おそらく、体調に悪い影響を及ぼしている。

 無感動になりがちな初老期の男は、むしろ積極的に感情を起伏させる機会を持つべきだというご意見もある。
 大筋としてはおっしゃる通りだ。
 でも、乱高下は良くない。
 サッカーは、そういう意味で、私にとって、あまりよろしくない娯楽なのだろう。
 つつしまねばならない。

 英国には、「サッカーは少年を紳士にするスポーツだ」ということわざがあるのだそうだが、私は出典を疑っている。つまり、私は、この成句について、どこかのサッカー関係者が捏造したデタラメかもしれないと思っているということだ。サッカー関係者には、非サッカー関係者同様、うそつきが多い。【※編注】

 英国に紳士がいないとは言わない。
 が、英国のサッカーファンに占める紳士の割合は、一般の英国人の中の紳士含有比率に比べて、かなりあからさまに低いはずだ。とにかく、オールド・トラッフォードのゴール裏で発煙筒を振り回しているあの人たちを、紳士と見なすのは、私にはむずかしい。

 わが国においても事情は変わらない。
 サッカーは、むしろ、紳士をクソガキに立ち戻らせるスイッチだったりする。

 6月20日の金曜日、早朝のゲームで、日本代表がギリシア代表との対戦を引き分けで終えた日の夜、私は、フジテレビが放送していたW杯デイリーの番組を見ていた。

 私は機嫌が良くなかった。
 日本代表が勝てなかったということもあるが、それとは別に、件の番組が、例によって、代表チームの不振の原因を外国人監督の采配に帰するムードの中で進行していたからだ。

 毎度おなじみの光景だ。
 トルシエの時も、ジーコの時もおなじだった。
 あのオシムさんでさえ、本国に帰ってからは、けっこうひどいことを言われている。
 つまるところ、外国人監督は、最初からスケープゴートなのだ。
 彼らは、負けた時のためのトカゲの尻尾として、安全弁の役割を担わされている。

 いずれにせよ、私たちの国のサッカー界は、自分たちの責任を回避するために外国人を雇っている。
 で、用が済むと、古い便座カバーを捨てる時みたいに、顔をしかめながらゴミ箱に投げ込む。

「便座カバーのくせに汚れやがって」

 とか言いながら。

コメント67

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「W杯の荒海に沈む」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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