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1-7の大敗から何を学ぼうか

2014年7月11日(金)

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 ブラジルの大敗には驚いた。
 人の世の無常と儚さに胸を衝かれて、半日ばかり仕事が手につかなかった。

 おそらく、読者の皆さんも、リアルタイムで観戦されていた方の感想は、そんなにかけ離れていないと思う。それほどに、衝撃的な惨敗だった。

 試合後にメディアを通じて紹介された著名人のコメントの中では、ペレの言葉が心に響いた。
 ペレは、8日、ブラジルの惨敗について、自身のツイッターに、以下のような言葉を書き込んだのだそうだ。

「私はいつも、サッカーはびっくり箱だと言っている。世界のだれも今回の結果を予想していなかった」

 平凡な述懐と言ってしまえばそれまでだ。
 というよりも、思い切りありきたりなコメントだったと言うべきなのかもしれない。
 が、「サッカーの王様」とされる世界のペレがこれを言ったところに価値があると私は考える。

 あれほどサッカーに打ち込み、精通し、研究を深め、のみならず、世界中をめぐり歩いてサッカーを通じた文化交流に力を尽くしてきた人物の口から出てきた言葉が、「びっくり箱」だったということが、実に、なんというのか、感慨深いではないか。

 世界で一番サッカーが上手だった男が、誰よりも深くサッカーを突き詰めた結果、得られた答えが「サッカーはわからない」ということだったのだとすれば、一体、われわれに何がわかるというのだ?

 いつだったか、USBケーブルの扱い方について誰かが書いた記事を読んで笑ったことを思い出す。それには、こう書かれていた。

素人:いきなり抜く
セミプロ:指定された手順に踏んで「コンピュータから安全に取り外すことができる」旨のメッセージを確認した上で、ケーブルを引き抜く
エキスパート:いきなり抜く

 つまり、あまり考えない人と考えすぎた人の結論は同じで、その結論は、「わからない」ということなのだ。

 ただ、中途半端に考えた人々だけが、それぞれにわかったつもりの結論を抱いている。それらの答えが、正しいのかどうかはわからない。というよりも、サッカーのような複雑な競技について言うなら、「わかった」と思っているというそのことが、「わかっていない」ことをあかし立ててしまっているのだと思う。

 私は、ペレの結論に従う。
 誰かがきいたふうなことを言ったら、

「ペレは、わかんないって言ってたぞ」

 と指摘する所存だ。

 ペレについて、ひとつ思い出したことがあるので付け加えておく。
 1980年代のセレソン(ブラジル代表のこと)に、ロマーリオという名選手がいた。

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「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「1-7の大敗から何を学ぼうか」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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