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図書館で、街のファッションが変わりました

『沸騰!図書館』の著者、佐賀県武雄市長 樋渡啓祐氏

2014年7月23日(水)

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 佐賀県武雄市。人口5万人の小都市がここ数年注目を浴びている。毎日のように企業や自治体関係者が「武雄詣で」をする。

 理由は、図書館。公立図書館を大改装し、運営を全面民間委託した結果、半年で100万人を集客する「ヒットコンテンツ」になった。地方自治体の「経営」に辣腕を振るうのは、同市出身で総務省の官僚から武雄市長に転じた樋渡啓祐(ひわたし・けいすけ)氏。

 人口減少が進む地方活性化の成功事例として賞賛を浴びる一方、公立図書館の民間委託の手法などに批判もある。同図書館が完成するまでを綴った『沸騰!図書館』を書いた樋渡市長に聞いた。(片瀬 京子)

カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営し、スターバックスのカフェが併設された武雄市図書館は、2013年4月オープン以来、全国的な話題を呼んでいますね。そもそも、どうして図書館を民間企業に委託しようと思ったんですか?

樋渡 啓祐(ひわたし・けいすけ)
佐賀県武雄市長。1969年佐賀県武雄市生まれ。総務庁(当時)、内閣官房などを経て2006年、武雄市長選に立候補し、当選。

樋渡:あらゆる公共施設の中でも、住民からすると、図書館って、いちばん敷居が低いじゃないですか。市役所や病院って用事のあるときにしか行きませんよね。誰もが気軽に寄る場所じゃない。その点、図書館は、子どもも浪人生も学生もサラリーマンも主婦もお年寄りも、あらゆる人に門戸が開かれた、皆が気軽に使える公共の場です。

 だったら、図書館をもっと元気のある場所にできないか。武雄市の図書館もそうだったんですが、図書館そのものは、多くの人にとって決して居心地のいい場じゃなかった。だいたい午後6時には閉まっちゃうし、休館日も多い。なんだかカビくさいし、照明も暗い。一方で、住民の要求に一方的に従って、ベストセラーばかりが何冊も置いてあって、民間書店のビジネスを圧迫したりしている。

現実を動かせば、人も街も変わる

樋渡:どうすれば、図書館を利用者目線でプロデュースし直せるだろう。そう思ったとき、2011年12月の「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)で代官山蔦屋書店の特集を見た。で、番組に登場したCCCの人たちの魅力にやられちゃった。ああ、この人たちと一緒に仕事をしたいな、と。で、代官山蔦屋に足を運んだら、なんと偶然、増田宗昭社長とばったり出会った。これはチャンスだ、とばかりに「増田さん、武雄市で図書館、やりませんか?」と声をかけたんです。さすがにトップの決断は早い。瞬時に担当が決まり、同社とタッグを組むことになりました。

図書館改革で最初にぶつかった「壁」はなんですか?

樋渡:図書館を今までの形で続けたい方々の「図書館道(としょかんどう)」です。図書館を作り直す過程でも、オープンしてからも、たくさんの批判を受けましたが、その内容をひとことでいうと「民間委託する武雄市図書館は、本当の図書館じゃない」というものでした。

 僕に言わせると、批判される方たちは皆、こうした「図書館道」を口にする。日本人の悪いクセです。茶道や華道のように、なんでも道(どう)にしたがる。伝統芸能はさておき、公共施設に「道」はいらない。にもかかわらず、図書館はこうあるべし、という「道」をつくって、図書館を狭い箱に閉じ込めて、大半の人にとっては居心地の悪い場所にしてしまう。そこで僕は図書館道から離れて、徹底的に利用者目線で作り直そうとしました。

計画から約2年4カ月でオープンにこぎつけました。一番苦しかった時期はいつですか。

コメント2件コメント/レビュー

古臭くて、変えようがないと思っているものでも、考え方や取り組み方を変えることによって、色々おもしろいことが出来るものだなぁ、と感心しました。(2014/07/23)

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「図書館で、街のファッションが変わりました」の著者

片瀬 京子

片瀬 京子(かたせ・きょうこ)

フリーライター

1972年生まれ。東京都出身。98年に大学院を修了後、出版社に入社。雑誌編集部に勤務の後、2009年からフリー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

古臭くて、変えようがないと思っているものでも、考え方や取り組み方を変えることによって、色々おもしろいことが出来るものだなぁ、と感心しました。(2014/07/23)

保守や旧守派と言う、その一方で改革や革新派と言う。誰がその先の差別を含めた住み分けや分類をしているのだろう。摩訶不思議だ。斬新な発想、奇抜なアイデアこそ21世紀に求められている― と言うと如何にも利口ぶった物言いに聞こえるかもしれないが、何時でも何処でも聞く話や事案は前例に則ってであり、データーによればと言った、時代性から見れば既に陳腐化したものまでも後生大事にと言わんばかりに踏襲していて何が面白いのかと思う。奇を衒ってのものではない武雄市のこの成功は謂わば、もの事を面白がる― これに始まったと思う。ホウレンソウは禁止!これなどはいい例だ。皆んなでデスカッションなど、従来金科玉条の発想パターンは、こうした先見性で打ち破られ前進するものと思う。若者よ前列へ、老齢者は年功を宝に後列へと言い切ろう。夫々に天与のミッションがある。その年代年代で果たすべき役割は厳にあり、年次を追って伝え、つないで行くことだ。その発想も亦年々歳々、古い面影として歓びを胸に走馬灯の絵図の一ページになるのだが、武雄市図書館の活性化成功、必ずしも◯◯市で成功とはならないことを含め、地方の特色発揮は無数にあり、若者の発想アイデァにかかっている。(2014/07/23)

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