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フロイトのエディプス・コンプレックスの発見(1)

夢をみる(13)

2014年10月23日(木)

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類型夢の意味

 さてこれまでフロイトが類型夢として分類している夢をいくつか調べてきました。類型夢というのは、人間であれば、誰もが見るという意味で、普遍的な意味をもつ夢だということです。こうした類型夢としてフロイトが挙げたのが、空を飛ぶ夢、試験に落ちる夢、人前で裸でいる夢、近親者が死ぬ夢です。たしかに多くの人がこうした夢を見るようですし、それを類型夢と考えることはできそうです。

 しかしそれらの夢が、どのようにして「誰もが見る夢」になるのでしょうか。フロイトはこれらの夢が、社会のうちで生きる人間が必然的に置かれている状況のために見られる夢なので、「普遍的な」夢なのだと考えたようです。それはこれらの夢がエディプス・コンプレックスにかかわる夢だということです。

 たしかに、近親者が死ぬ夢についてフロイトは、息子は父親が死ぬ夢を見るし、娘は母親が死ぬ夢を見ると指摘しています。というのも、親子だけで作られる二世代の小家族で生きる人々にとっては、同性の親が「恋敵」になるのは、避けがたいことだとフロイトは考えたからです。かつて共同体のうちで生活していた時代とは異なり、資本主義の社会のように、親と子が密着して生きており、しかも父親から子供へと家業を継承していく必要もないような社会では、息子にとっては母親が愛着の対象となり、父親がその邪魔になるのというのは一般的に観察される状況でもあります。

 この状況ではエディプス・コンプレックスが生まれやすいのはたしかであり、そうした内容の夢が、多くの人々に見られるのはたしかなようです。それではその他の夢は、どのようにしてエディプス・コンプレックスとかかわっているのでしょうか。そのかかわりをそれぞれの夢について考えてみましょう。ここで手掛かりになるのが、フロイトがこれらの夢を類型夢として分類するようになったのは、自分が見た夢を分析した結果なのだということです。そしてフロイトは自分の夢を分析することで、このエディプス・コンプレックスを「発見」したのです。フロイトがこれらの夢を類型夢として分類したのは、それの夢がエディプス・コンプレックスの夢だからというだけではなく、こうした夢を分析することで、フロイトはエディプス・コンプレックスを発見したからなのです。

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「フロイトのエディプス・コンプレックスの発見(1)」の著者

中山 元

中山 元(なかやま・げん)

哲学者、翻訳家。

1949年生まれ。東京大学教養学部教養学科中退。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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