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フロイト派の夢解釈とユング派の夢分析

夢をみる(16)

2014年11月13日(木)

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フロイト的な夢解釈

 さて、これまでフロイトのエディプス・コンプレックスに関連した夢を考察してきました。フロイトは自分の夢を分析することで、人類にとって普遍的な意味をもつあるコンプレックスを発見したわけです。これは小家族で構成される現代の資本主義的な社会では、家庭ごとに再生産されているコンプレックスであるという意味で、普遍的なコンプレックスだと言うことができるでしょう。

 フロイトの『夢判断』の書物には、夢の中でわたしたちの無意識がどのように働いて、わたしたちに夢をみせているかについて、「夢の仕事」の詳細に分析が行われています。とくに象徴論は、夢の中のさまざまな像がもつ性的な意味を説き明かそうとするものであり、フロイト派の夢解釈の方法として流布しました。箱や容器は女性の性的な器官を「象徴する」というような解釈です。

 こうした解釈はもともとは、夢分析の際に夢の主体に連想を促すために手段として考えられたものでしたが、それがすっかりフロイト主義的な夢解釈の主流になってしまったようです。こうした「象徴」の解釈にこだわることは、あまり夢の分析にとって有効ではないと思われます。

ユング派の夢分析

 こうしたフロイト的な夢解釈に異論を唱えたのが、ユングでした。ユングはフロイトの精神分析を強く支持して、一時はフロイトの後継者としてフロイト自身から強く期待されたのでした。しかしやがてユングはみずからの精神分析の方法を構築し、フロイトの精神分析から離れていくことになります。ユング自身はフロイトの『夢判断』を高く評価していますが、いくつかの違和感を表明しています。

 その第一の点は、無意識に関する理論の違いから生まれたものです。フロイトはすでに考察してきましたように、無意識のうちで働いているコンプレックスや、人々の性的な体験から生まれる心的な外傷を重視しました。これにたいしてユングは、人々の無意識のうちには、そのような個人史的な起源をもつ無意識だけではなく、人類に共通の集合的な無意識のようなものがあると考えたのです。

 こうした個人的な無意識と集合的な無意識の違いについてユングは、「個人的な無意識は、一度は意識されながら、忘れられたり抑圧されたりしために意識から消え去った内容から成り立っている。これに対して、集合的無意識の内容は一度も意識されたことがなく、それゆえ決して個人的に獲得されたものではなく、もっぱら遺伝によって存在している」[1]と説明しています。

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「フロイト派の夢解釈とユング派の夢分析」の著者

中山 元

中山 元(なかやま・げん)

哲学者、翻訳家。

1949年生まれ。東京大学教養学部教養学科中退。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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