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文章は世の中を動かせない

2014年11月28日(金)

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 今週のはじめ、奇妙なメッセージがインターネットの掲示板やSNSを通じて拡散された。

 既にお聞き及びの読者もおられるだろうが、事態の推移を簡単に振り返っておく(参考記事はこちら)。

1:「小学校4年生の中村」を名乗る人物が、「どうして解散するんですか?」という名前のウェブサイトを開設した。

2:サイト開設者の「小学4年生・中村」は、サイトへの協力を要請する旨をネット上の著名人や野党関係者のツイッターアカウントに向けて発信しはじめる。

3:民主党のマスコットキャラクター「民主くん」が「天才少年現る」と紹介するなどして、次第に波紋が広がる。

4:その一方で、ネット上では、ウェブサイトの構造の高度さや言葉づかいなどから、小学校4年生の仕事であることを疑う声が高まる。

5:疑問の声の殺到やネット上の検証の結果を受けて、サイト開設者が謝罪に追い込まれる。本人が20歳の大学生であり、小学4年生であるという設定がウソであったことを告白して一段落。

 ごらんの通り、バカな話だ。

 インターネットの内部では、この事件の反響がいまだにくすぶっている。
 事件を問題視する人々の一部は、件のサイトのドメインが、「犯行」を告白した大学生の個人名義でなく、彼自身が主宰するNPO法人の名義で取得されていたことなどを理由に、本件が安倍政権ならびに自民党を誹謗中傷する目的の「工作」であると見なして、いまなお追及の手をゆるめていない。

 安倍首相ご本人も、自身のフェイスブック上で、サイトを開設したNPO法人とその代表である大学生を

「批判されにくい子供になりすます最も卑劣な行為だと思います」

 と論難している。

 本稿では、話題のサイト「どうして解散するんですか?」が、政治的な意味での「陰謀」ないしは「工作」であったのかどうかについて議論をするつもりはない。

 安倍首相が、ウェブサイトを開設したNPO法人の代表者である大学生を直接に名指し(NPO法人名を挙げて)で批判したことが「行き過ぎ」であるのかどうかに関しても、あえて踏み込まない。読者の判断に委ねる。

 というよりも、私は、この問題について、現在たたかわされている議論にうんざりしている。

 11月25日に投稿したツイッターの中で、私は、

例の小4なりすまし案件って、実行犯の側に擁護したくなるポイントがまるでないにもかかわらず、責め立ててる連中の言い草にも、賛同できる要素がほとんどない珍しいケースだと思う。

あの小4なりすましの学生たちって、オレが一番きらいなタイプの若いヤツなんだけど、その彼らを血祭りにあげてはしゃいでる連中も、これまたオレの一番嫌いなタイプのネット民だったりするわけで、なんというのか、インターネットの砂漠化を感じるきょうこのごろであることだよ。

 と、以上、二つの見解を述べた。
 現在でも、この気持は変わっていない。
 当件は、既に汚物の投げ合いの段階に移行している。
 そんな汚れたリングに、いまさら乱入しようとは思わない。

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「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「文章は世の中を動かせない」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト