• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

あのスピーチは何を生むか

2015年5月11日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 前回は「連休中」という曖昧な根拠で、お休みをいただいた。
 有り体に言えば、検査漬けとなっていまひとつ気力が湧いて来なかったということです。
 まことにあいすみませんでした。

 入院して50日になる。
 で、病院の外で起きている出来事に興味を失いつつある。
 ということはつまり、時事問題にも真摯な関心を抱いていない。
 なので、安倍首相の訪米をめぐる一連の報道に関しても、特に熱心に追いかけなかった。

 正直に申し上げれば、どこかでネタにする下心から、一応外形的な事実の載った記事をクリップするだけの作業は続けていたのだが、リアルタイムのニュースとしては、ほぼ無視していた。

 というよりも、午後9時半に消灯して、テレビもパソコンもオフにしなければならない入院患者のタイムテーブルを遵守している限り、主に深夜帯の海外ニュースとして入ってくる安倍首相訪米の一挙手一投足には、そもそも追随できない。

 なので、私は、安倍さんの動静を、半日か1日遅れのタイミングで、新聞の記事サイトおよびSNSならびに掲示板あたりを中心にチェックしていた。

 当然の話ではあるが、リアルタイムで追いかけるニュースと、1日遅れで読み返すニュースは別物だ。事実関係は同じでも、湯気の立っているホットなニュースと、冷蔵庫から取り出してあたため直した報道記事では、それらを摂取するこちらの気構えがまるで違うからだ。

 生観戦のサッカーと録画視聴のサッカーが、まるで違った印象をもたらすのと同じことで、サッカーであれ政治であれ、「終わった」ゲームを「振り返る」場合、ライブ観戦につきもののナマの興奮は半減する。録画視聴は、より批評的かつ分析的な見方に傾く。この見方は一見賢く見えるが、ナマで目撃した人間の直観を含んでいない分、もしかしたら後知恵に過ぎないのかもしれない。 

 前置きが長くなった。
 今回は、安倍さんのアメリカ議会での演説について考えてみたい。

 このタイミングでこのテーマについて書くことが、かなりの部分で「後出しジャンケン」である点は承知している。
 なにぶん、件の演説の全文を読んだタイミングが、騒ぎが終わった後だった以上、この件に関しては蒸し返す形でしか言及できないわけで、この点はいかんともしがたい。

 ツイッターのタイムラインや新聞の解説記事の反応は、文字通り賛否両論だった。
 安倍さんを支持する立場の人々は演説の出来を手放しで賞賛していた。
 逆に、訪米前から安倍さんのやり方に批判的だった人たちは、かなりあからさまにあのスピーチをこきおろしていた。

 結局、リアルタイムで演説を聴いた人たちは、全面擁護か全面否定のどちらかに傾く聴き方をしていたわけだ。
 わかりやすいリアクションだ。
 ライブの客の反応は、極端に振れる。

コメント22

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

一覧

「あのスピーチは何を生むか」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

意外なことに、伝統的な観光地が 訪日客の誘致に失敗するケースも 少なからず存在する。

高坂 晶子 日本総合研究所調査部主任研究員