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「のれん分け」とチェーン店との違い

商いに手抜きをしない兄に学んだ商売の姿勢

  • 伊藤 雅俊

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2006年4月17日(月)

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 13歳年上の異父兄、譲も、私にとっては商売の師です。兄は生い立ちに不幸なところのあった人ですが、そんな環境にめげず、商売のうえでも個人の生き方に関しても、大道をまっすぐ歩いた人でした。

 兄の父親は新聞記者をしていましたが、若くして亡くなります。兄は里子に出され、親戚を転々とする育ち方をしました。私が物心ついたころには、再婚した母の下に引き取られていました。私は最初、兄と知らず、奉公人だと思っていました。

 兄は母と力を合わせて、武蔵小山の食料品店を3店に増やします。しかし、そこで母は私の父と別れてしまいました。兄は母の弟(吉川敏雄)がやっていた店をのれん分けしてもらう形で、昭和15(1940)年に浅草に店を持ちました。初めて持った自分の店です。

 独り立ちした兄は、今度は母と私を引き取ってくれました。のれん分けと同時に結婚し、子供も3人生まれました。そのうえに母と私の面倒を見てくれたのですから、生活は楽ではなかったはずです。それにもかかわらず、自分は小学校しか出ていませんでしたが、私に専門学校へ進むよう勧めてくれました。

「売り上げを神棚に供えて拝む気持ちで」

 兄は商売に関して、手抜きを絶対にせず、誠心誠意取り組んだ人でした。いろいろなことを教えられましたが、一番強く印象に残っているのは、次のことばです。

「店を開いたときには、誰でもその日の売り上げを神棚に供えて拝む。そのときの祈る気持ちをいつまでも忘れないことだ」

 当時、洋品店の店主は書き入れ時の盆、暮れしか店に顔を出さず、後は雇い人に任せている人が少なくありませんでした。兄はお客様に対して、仕事に対して、どこまでも真摯に向き合いました。生き方自体が誠実なものでした。私は兄のこうした生き方に大きな影響を受けました。

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