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【第5回】日本版SOX法とは?

  • 谷島 宣之 中野目 純一

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2006年5月11日(木)

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 日本企業に対し、内部統制の確立を迫る「日本版SOX法」の実体は、今のところ、1つの基準案と1つの法案から成る。

 基準案は、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準案」と言い、金融庁の企業会計審議会内部統制部会が2005年12月8日に案を公開した。この正式名称から分かるように、企業が内部統制の仕組みをきちんと設けているかどうかを、評価・監査するやり方の案を示したものだ。つまり、この基準案が、内部統制をせよと企業に命じているわけではない。

 企業に内部統制を求めるのが、3月10日に閣議決定した「金融商品取引法(投資サービス法)」である。同法は、金融商品を取引する際の各種ルールをまとめた広範囲な法律で、この中に、「内部統制」の義務化を株式公開企業に迫る部分がある。

 この法案が成立し、それと前後して、基準案が「基準」になると、企業は内部統制に取り組み、基準が示すやり方でその取り組みを評価し、公認会計士の監査を受けていくことになる。

 日本版SOX法の適用時期は早ければ2009年3月期決算と見られているが、日本経済団体連合会は企業が十分な準備期間を確保できるように、「制度の導入まで少なくとも3年は必要」という要望を出している。拙速に法律を適用すれば、企業活動に対する影響が大きすぎるというのだ。

 内部統制はインターナル・コントロールを直訳した言葉で、企業の持続的成長を阻むリスクを管理することを指す。リスクを洗い出し、防止策を事前に立てる仕組みを企業内に設ける。その仕組みが機能しているかどうかを調べ、内部統制報告書にまとめる。内部統制報告書は公認会計士に監査してもらう必要がある。

 こうした一連の活動が日本版SOX法によって企業に義務づけられるようになる。企業であれば、内部統制と言える活動を大なり小なりしているはずだが、きちんと文書にまとめて、それを第三者に監査してもらう点が、これまでとは大きく異なるところだ。

 SOXは「ソックス」と読む。サーベンス・オクスレーの略で、これは米SOX法を起草した議員2人の名前である。米SOX法は正式名称を「上場企業会計改革及び投資家保護法」と言い、2002年7月に連邦法として成立した。米SOX法の中で内部統制に関わる404条は、2004年11月以降に始まる決算期から適用されている。

 日米のSOX法の狙いは、企業に内部統制を義務づけ、企業活動、とりわけ財務報告の透明性と健全性を増し、結果として投資家を保護することにある。狙いはほぼ共通だが、法に込められた考え方にはかなりの差がある。

 米SOX法は企業や経営トップの暴走を防ぐために作られた面があり、「経営トップを信用せず、詳細な監査を求める」という考えが根底にある。

 これに対し、日本版SOX法は、経営トップによるリスク管理の実践を求めている。すなわち、経営トップが重要と思う業務プロセスを選択し、その範囲で内部統制が機能していることを示せばよいことになる。

 日米のSOX法で言う内部統制にはこのような差があるうえ、法律の全体像はそれぞれ大きく異なる。このため先行した米国企業での導入事例を日本企業が丸写ししてもうまく機能しないだろう。日本の企業文化に合った対応策を探る必要がある。

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