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復帰と欠勤を繰り返す社員への対応(後編)

就業規則をどう見直すか---弁護士からのアドバイス

  • 亀田高志,前田 陽司,田中 亨子

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2006年6月21日(水)

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 半導体製造メーカーで人事課長をしているHと言います。勤続10年の製造部門の技術職Cが1年半前から病気を理由に欠勤、復帰を繰り返しています。


 新しいラインの設置の際に多忙のために不調になったとして、最初に心療内科の主治医による“自律神経失調症”という診断書を提出しています。


 しかし、復帰しては1カ月と持たずに休むため、職場の課長のMも決まった業務を与えられず、他の部下の手前もあって放置するわけにもいかず、困って、私のところに相談がありました・・・

 相談内容の詳細は前編をご参照ください。>>

 このケースでは就業規則に記載があれば、産業医による評価や復職の手順を指導しやすくなると思います。それを定めるとした場合の方法と留意点、含むべき項目と内容について述べます。

 また復帰と療養を頻回に繰り返す場合の解雇の可否とタイミング、派生し得る法律上の問題点についても述べます。

はじめに

 健常な従業員が理由もなく欠勤・復帰を繰り返す場合、会社は、通常、その従業員の解雇を含む懲戒処分によって対応します。

 しかし、Cさんは、多忙のために“自律神経失調症”になったと主張しており、主治医の診断書も提出しています。Cさんが本当に病気である場合には、健常な従業員と同じように扱うことはできません。

 また、会社の業務が原因で病気になっている場合(「業務起因性」)、法律上解雇できなくなる場合もあり、特に慎重な対応が必要となります。

 そこで、会社はまず、
●病状(就業継続の可否など)及び
●業務起因性の有無を確認し、その上でCさんに対する対応策を考えなければなりません。

産業医を受診させるには・・・

(1) 自律神経失調症のようなメンタルヘルスの問題の場合、本人の自覚症状しかありませんので、主治医の診断書だけでは、会社として正確な判断ができない場合もあります。やはり、前記2項目の点を正確に把握するためには、Cさんに産業医を受診させることが望ましいでしょう。

 本件で、Cさんは産業医の受診を拒否しています。この場合、会社は、Cさんに対し、産業医を受診するよう業務命令(「受診命令」)を出せないでしょうか。

(2) 会社の就業規則には、産業医の受診義務についての規定はありません。しかし、明確な規定でなくても、例えば「従業員は、健康管理に関する衛生管理者の指示に従う」などの規定があれば、これを根拠として受診命令を出すことができます。

(3) さらに、就業規則に規定がなくても、合理性・相当性がある場合には、会社は、従業員に産業医の受診命令を出すことができると考えられています。労働契約上、会社には従業員の健康を管理する義務があり、その義務を尽くすために必要となる場面があるためです。

 ただ、本件のように、既に主治医の診断書が提出されている場合に、さらに産業医を受診させるには、より強い合理性・相当性が必要になります。この点、Cさんの場合は、メンタルヘルスに関連して、就業継続の可否や業務起因性の有無が問題となっており、会社の業務内容を把握している産業医の意見を聞く必要性が高いと言えます。

 そのため、主治医の診断書だけでなく、さらに産業医を受診させるだけの合理性・相当性は認められると考えられます(東京高等裁判所昭和63年11月13日判決・京セラ事件など)。

(4) 以上のように、会社は、Cさんが産業医の受診に応じない場合、産業医の受診命令を出すことができます。 

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