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【第10回】SOX法 早稲田大学ビジネススクール 平野雅章教授インタビュー

SOX法はいやいやの対応ではなく、攻めの姿勢で

2006年5月29日(月)

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早稲田大学ビジネススクール 平野雅章教授
早稲田大学ビジネススクール 平野雅章教授

 企業改革法、いわゆる日本版SOX法の施行が2008年に迫っています。日本企業の現状を考えると、SOX法への対応は非常に大きな課題と言え、企業の現場では対応に大わらわだと思います。

 しかし、見ようによっては逆に大きなチャンスではないでしょうか。企業の現状の業務プロセスを洗い出して見直し、改革につなげることも可能になるはずですから。

 「やらなくてはいけないこと」だから仕方なく最低限のことをやるのか、それとも積極的に自社の強みと弱みを見直して戦略的ポジションの取り直しを目指すのか。内部統制は、これまで再三言われてきながら十分に対応できなかった、不透明な日本企業の組織や仕事の仕組みにメスを入れざるを得なくなるわけで、やり方次第では企業にとって大きなチャンスになり得ます。

マネジメントの場でITが適切に使われていない

 数年前、都内の大学病院で若い医師が腹腔鏡手術を実施し、手術後に患者が死亡する事件が起きました。内部ルールでは一定の経験を積んだ医師にしか手術は認められていないのに、それを無視して執刀してしまったのです。

 一般的には、管理不行き届きと手術をした医師の意識の問題と受け取られがちなケースですが、この事故は正しい管理システムさえあれば防げたケースです。

 手術は医師が単独でできるものではなく、人や器具など様々なリソースを手配しなくてはなりません。だから、もし、ルールに従わないことをやろうとした人が出てきても、これはおかしいと、誰かがチェックできるシステムが整っていれば、決して発生するはずのない事故でした。

 誰が何のために、どんな手段で、どのような手続きで手術をするか、IT(情報技術)を使って適切にマネジメントされていれば、誰かがどこかの段階で気づくようにチェック機能が働いたはずです。

 日本の内部統制の方向性を考えるうえでもう1つ指摘しておきたいのは、マネジメントの生産性の低さです。

 例えば経済産業省が実施している統計調査ですが、日本企業と、日本でビジネスをしている外資系企業の業績を継続的に比較したものがあります。

 これを見ると日本企業よりも、外資系企業の方がずっと収益性が高い。しかも外国資本の比率や外国人取締役の比率が高いほど収益性が高いのです。

 単純に見れば日本企業のマネジメントの生産性が低いということですが、仕事のやり方が不透明なためにその実態がなかなか表に出てこない。

 内部統制に対応する過程で業務プロセスを明確に文書化し、リスクの洗い出しをしていくということは、仕事のやり方の「見える化」を進めるということです。みんなに見えるようになれば、自然に変わっていく部分が必ずあるはずです。

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「【第10回】SOX法 早稲田大学ビジネススクール 平野雅章教授インタビュー」の著者

秋山 知子

秋山 知子(あきやま・ともこ)

日経ビジネス副編集長

1986年日経BP社入社。日経コンピュータ、日経情報ストラテジー、日経アドバンテージ、リアルシンプル・ジャパンの編集を担当。2006年から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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