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信頼がブランドの基盤

ヤオハン、マイカルはなぜ再生したのか

  • 岡田 卓也(イオン 名誉会長相談役)

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2006年6月5日(月)

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 第2次大戦で、三重県四日市の岡田屋も店は焼けてなくなってしまいました。終戦で故郷へ戻ってきた私に残されたものは、離れと土蔵だけでした。ただ、店という建物は失ってしまいましたが、200年近く続いてきた「岡田屋」という暖簾は残っていました。先祖がそして両親や姉たちが、長年かけて築いてきてくれた、地元から「岡田屋さん」と、さん付けで呼んでいただけるような信頼は、私と共に生き残ったのです。

 その後も、この信頼という暖簾を大切に守り続けてきたからこそ、戦後の焼け野原から岡田屋を再び立ち上げ、大きく成長させることができたのだと思います。企業が成長する原動力には様々なものがあります。最近はM&A(企業の合併・買収)に脚光が当たっています。いろいろな事件もあり、M&Aを否定的に見る風潮も出ていますが、私自身はM&Aは企業が成長するためには極めて重要な経営戦略だと思っています。

 理念や志を同じくするものが、力を合わせて企業を成長させ、より大きな価値を生み出し社会に貢献していくことは大変意味のあることだと思います。しかも重要なことは単独で行うよりもスピードを上げて、それぞれの目標に到達できる可能性があるということです。

 イオンも国内外で積極的にM&Aを行ってきました。合併もあれば破綻した会社のスポンサーになるなど、その形態は様々でした。

 確かにM&Aはたやすいものではありません。それまでは別々に事業活動を行ってきた企業が法的にも組織的にも一つになったり協力し合うことになるわけですから、その苦労は並大抵ではありません。イオンも数多くの企業と提携、合併を繰り返してきましたが、おかげさまで、そのほとんどはうまくいきました。そのキーワードは、一言で言えば「信頼」だと思います。組織を統一するなど形の上で一緒になることができても、本当に一つになるには人間同士の信頼がなければうまくいくはずはないからです。

 信用や信頼を得るのに奇策はないと思います。うそをつかず、言ったことは誠実に実行する。この積み重ねでしかありません。

 人からの信頼に応えるとともに、もう一方で大切なことは、人を信用することだと思います。真摯に仕事をする人を頼みにし、任せるということだと思います。これまでの提携・買収時には、イオンから、むやみに人を送り込むようなことはしませんでした。

 相手方企業にも人材は沢山いるわけで、理念や考え方を共有したうえで、中長期の大きな方針を示し、そのことに全力で取り組める人物であるかどうかの見極めがついたところで、信頼し任せることにしました。つまり、その人たちの力量がどの程度か見極め、その力をいかんなく発揮させるにはどのようにすればよいかということも、経営者としての重要な判断業務になるわけです。

 最近はM&Aの話題に事欠きませんが、必ずしも資本の論理だけでM&Aがうまくいかない背景には、やはりそこで働く人たちの信頼の問題があると思うのです。

ヤオハンやマイカルの再建もイオンの暖簾があればこそ

 イオンは、1997年に会社更生法を申請したヤオハンジャパン(現マックスバリュ東海)や2001年に会社更生法を申請したマイカルの再生にかかわりました。どちらも当初の更生計画より大幅に期間を短縮して、終結させることができました。

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