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江副浩正氏が語るリクルートのすべて

「私には能力がない。だから、社員のやる気を引き出した」

  • 宮東 治彦, 山崎 良兵

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2006年6月5日(月)

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 日経ビジネスは2006年6月5日号で「リクルート」を特集し、取材の一環として創業者の江副浩正氏に、インタビューを実施した。今年の6月12日で70歳になる江副氏に、リクルートへの思いなどを中心に語ってもらった。

 ―― 創業者としての江副さんにお伺いします。改めて、リクルートという企業の強さ、あるいは競争力の源泉は何だとお考えですか。

 江副 そうですね。あえて言えば、社員が就職、転職、住宅情報提供など、社会にとって有益な仕事をしていると実感していること。それと、「2位になることは我々にとっての死」と言い続けてきたことでしょうか。

 ―― 「2位になることは我々にとっての死」とは、具体的にはどういうことでしょう。

 
江副浩正 リクルート創業者
写真:都築雅人

 江副 メーカーであれば、いいものを作っていれば、小さくても優良企業という存在はあり得るでしょう。しかし、情報誌というものは、ナンバーワンが圧倒的に強くて、2位以下とは雲泥の差があるものです。コンテンツが多く、検索しやすい方が勝つんです。例えると、インターネットのポータルサイトのようなもの。

 コンテンツの多いヤフーは圧倒的に強いし、それが会社の社名そのものになるくらいです。でも、仮に検索エンジンでグーグルに抜かれたらどうなるでしょう。仮にヤフーが2位になったら、ヤフーはヤフーでなくなる。それと同じです。

 リクルートでも過去、競合誌がいくつか出てきましたが、そのたびに必死に知恵を絞って戦い、1位の座を守ってきました。まあでも本当に脅威に感じたのは、読売新聞社が住宅情報誌で参入した時ぐらいですね。ほかに脅威に感じた2位はなかった。追いかけるのは、結構簡単なんですよ。相手のいいところを真似すればいい。守る方は大変ですよ。

 ―― なるほど。それでは当時から、リクルートに脈々と受け継がれているDNA(遺伝子)とは一体、どんなものと考えればいいのでしょうか。

 江副 “会社の中に小さな会社をつくる”プロフィットセンター(PC)制を導入したことでしょうか。30歳前後の社長(課長)を中心に社内で小さな会社が互いに切磋琢磨し、競争を続けていることでしょう。それと、退任した社長が現執行部の経営に口を挟まないことも大きいと思います。河野(栄子)前社長、位田(尚隆)前々社長も、経営には一切口を挟んでいません。そのことが、日々新たなリクルートになっている要因だと思います。

 ―― リクルートは優秀な人材が多いほか、社員のモチベーションも高いように思います。多くの企業がそのような会社を目指すものですが、なかなかうまくいきません。リクルートはなぜうまく機能していると考えますか。

 江副 サラリーマン志向の人は避けて、起業家精神旺盛な人を採用してきたことが、1つの要因だと思います。もう1つ加えるとすれば、若さでしょうか。柏木斉社長は45歳で社長に就任し、現在48歳ですが、柏木社長より年上の人はわずかしかいません。創業47年でこのような会社は珍しいと思います。いつまでも若さを持続させていることが、リクルートの強みでしょうね。もちろん、男女や学歴、国籍の差別が一切ないというのも、特徴の1つかと思います。

 また、社員持ち株会が筆頭株主ということもあるんじゃないでしょうか。リクルートは1985年から社員持ち株会が筆頭株主になり、会社の業績が上がればそれにスライドして社内株価が上がる仕組みになっています。「株主の利益」と「働く社員の利益」が重なっていることが、リクルートの社員がよく働き、高収益企業となっている理由の1つだと思いますね。

 ―― 創業当時から、江副さんは社員のやる気を促す仕組みに注力されたように思いますが、これはなぜですか。

 江副 能力がなかったからですよ。私に。リーダーシップやカリスマ性がなかった。だから社員が働いてくれる仕組みを考えたんです。当時は、創業メンバーである大沢くん(武志氏)が、人事担当で組織活性化の専門家だった。

 ―― そしてPC制の中で、優秀な社員はどんどん結果を出していった。

 江副 そうです。高い業績を上げた人をどんどん組織のピラミッドの上に上げていく。人望があるより、業績を上げた人が昇進していく。この方が一種、公平じゃないですか。恣意的な判断が入らない。前社長の河野さんに対して、(経営手腕ほか)いろいろ言う人はいますが、一番業績を上げたんです。(ダイエー創業者で、一時リクルートの会長を務めた)中内さん(功氏)は、「彼女は一番業績を上げている。そういう人を引き上げる会社がいい会社なんだ」といって、河野さんを推したんです。

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