• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

働く喜びの根源を考えよ

財務諸表の是正だけで、企業不祥事は減らない

  • 神谷 秀樹

バックナンバー

2006年6月20日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 米国経済紙には毎日これでもかというほど経済犯罪を摘発するニュースが掲載されている。最近の話題は経営幹部がストック・オプション執行価格を株価最低の日を過去にさかのぼって選び、あたかも偶然その日に設定したかのように偽装したというものだ。

 日本では中央青山監査法人が存亡の危機に瀕している。彼らの甘い監査を当局が処罰し、社会的信用が失墜したことが原因だ。日本の顧客から聞こえてくる監査法人への不満は、ここ数年極めて大きい。監査人の意見に一貫性がなく、必ずしも保守性の原則に沿うものでもないからだ。名前は立派だが実を伴わない監査法人に不満を持っても、数社が独占する業界であり、簡単には他社に交代できない。

 財務諸表が会社の実態を正しく表すよう経営者、監査人が誠意を尽くすべきことは論をまたない。私もSEC(米証券取引委員会)に規制される米国投資銀行の責任者として財務諸表に個人的署名をするが、サインするその瞬間には緊張する。

財務諸表に本当の企業価値は表れない

 しかし、私があえて申し上げたいのは、財務諸表とは、お金で表せる価値を持つものだけを掲載するもので会社の価値すべてを表すものではない、ということだ。社会での会社の存在価値にはお金では表せないものがたくさんある。

 例えば製薬会社が販売している薬品が数多くの人々の病気を治したとしよう。この製薬会社の社会的な存在意義は救った患者の人数でこそ評価されるべきだが、このような成果は損益計算書に掲載されない。高級ブランド商品は、その商品自体も素晴らしいが、特別に訓練され、経験を積んだ販売員のサービスこそが顧客の心をとらえている。

 ところが、このような熟練販売員の人数、接客の質、心をとらえた顧客の数、顧客の心の中への浸透度などは資産に計上されない。企業を評価する重要な尺度のうち、財務諸表に掲載されないものは山ほどある。だが、世間では昨今、財務諸表の偏重が進んでいる。

コメント1

「神谷秀樹の「日米企業往来」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック