• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

福井さん、早く辞めてしまいましょう

日銀総裁に神格を求める不利益

2006年6月28日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 私は多くの現世の日本人を尊敬しています。そのお1人は福井俊彦さんです。そう、村上ファンドに出資したことで、現在大変な苦労をしている日本銀行総裁の福井さんです。世間から強い批判を浴びて、本当に可愛そうだと思います。

 私は経営コンサルティング関係の仕事で、福井さんと知り合いました。当時は富士通総研の理事長を務めていらした時でした。この時、福井さんがもともと日銀の副総裁だったことを知りませんでした。

 福井さんの第一印象は「小さな巨人」でした。もの静かな物腰の後ろには、たくましい叡智と強い意思を感じられました。そして何よりも、謙虚さとユーモアがとても自然に出ていることに惹かれました。

 当時、まだ携帯メールが一部の若者の遊び道具だったような時期でしたが、その時から福井さんは秘書の方と携帯でメールをやり取りされていたのを思い出します。エリートコースを歩まれても浮世離れせず、世間と同じ目線の持ち主なのです。

「人の価値はデフレにならない」と熱く語りかけられた

 日本が深刻なデフレ不況に喘いでいた時に、福井さんは世間と全く異なる見方をしていました。

 「日本の問題はデフレではない。経済構造の問題だ。君の国もデフレだが、経済成長が止まっていない」

 「絶対デフレにならないものがある。それは時間だ。人々に価値のある時間の過ごし方をもたらすビジネスが必要だ」

 まだ若造の私に対して、真剣にそして熱心に語りかけてくれました。

 「日銀を辞めたおかげで、日銀時代では経験できないことが経験できた。宋さんのような人にも会えるようになってとても良かった」と言って下さった時は、本当に感激しました。私のような人間も含めて、多くの人間と接触したことが、総裁として再び日銀に戻った福井さんの信念を形成したと思います。

 日銀総裁になってから、私は福井さんとお目にかかる機会は一度もありません。総裁室では気楽に話せないでしょうし、正式な用もないのに私のような変な中国人が総裁室を出入りするだけで、福井さんのご迷惑になると心配していました。

法にも内部規定にも触れていない

 こんなことを言うとバチが当たるかもしれませんが、僕は尊敬する福井さんにもう一度会いたいので、日銀を早く退職されることを願っていました。偉い立場を離れれば、また多くの有意義な話をご教授いただけると思っています。

 総裁職を離れられれば、福井さんももっと幸せな時間を過ごせると思います。今回の件で批判を浴びても辞めないのは、総裁の椅子に未練があるからでは100%あり得ません。きっと日本と世界の金融と経済に使命感を持っているからこそ、辞任を口にしないと私は信じています。

コメント100

「宋文洲の傍目八目」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

グローバル市場でいい仕事をしたければ、まず「世界に通用する見識」を磨くことだ。

中谷 巌 「不識塾」塾長、一橋大学名誉教授