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今こそ「CI」を考える

ブーム再来を尻すぼみに終わらせないために

2006年6月29日(木)

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 香港出張の帰路、市内からランタウ島の空港に向かって高速を走っていた時のこと。ふと気づくと、方向指示の標識の中に、妙に気になるサインがある。

 普通、アルファベットや漢字で地名を書いてある部分に、記号というか絵というか、「丸」の上に耳のような盛り上がりが2つ付いているサインが書かれているのだ。そう、「ミッキーマウスの輪郭」である。最近香港にできたディズニーランドをこのカタチだけで表現し、方向指示に用いているのだ。

 東京ディズニーランド周辺の高速道路では、文字表記とシンデレラ城を模したグラフィックを使い、ディズニー用に独自の案内板が設置されている。一方、香港では、他の地点の地名標記と並んで、何の説明もなくミッキーマウスのカタチが描かれている。

道路標識になってしまったブランドアイコン

 この表示を見た瞬間は、単純なカタチだけによる地名表示に違和感を感じたが、すぐに、これはなかなかすごいことだ、と思い直した。「ミッキーマウスの輪郭」を示すだけで、進出したばかりのディズニーランドであることを、香港や中国本土の人々に、苦もなくコミュニケートできてしまうのだから。

 そもそも、事前に知識を持っていなければ、ネズミにさえ見えないようなサインである。禅僧の揮毫のようでも、子供の落書きのようでもあるが、要は単純な線描だ。にもかかわらず、見る側は、瞬間的にミッキーマウスのカタチだと認識し、さらに、「ああ、ディズニーランドのことだな」と分かる。

 また、この交通サイン自体が、何万人、何百万人の目に触れることで、将来に向けたブランド投資になっている。自分のブランドアイコンを道路の標識に使ってもらえる私企業など、そうそうあるものではない。

かつてのCIブームが尻すぼみしたわけ

 かつて1980年代にCI(コーポレートアイデンティティー)ブームがあった。CIの重要性が語られ、多くの企業が新しいロゴを作成し、社章や名刺を作り直し、ビルの看板を掛け替えた。社名そのものを変更した会社も数多い。

 企業イメージ広告を大量に打ったり、社内での意識改革運動を実施するのも盛んだった。いつのまにか、こういう動きは下火になってしまった。バブルの崩壊が最大の原因だったろうが、CI活動の効果がはっきり見えないということも、尻すぼみになってしまう大きな原因だったと思える。

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「今こそ「CI」を考える」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCG シニア・アドバイザー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経てボストン コンサルティング グループ(BCG)に入社。BCG日本代表、グローバル経営会議メンバー等を歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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