• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

躁状態に見える社員への対応(後編)

弁護士からのアドバイス

  • 前田 陽司,田中 亨子

バックナンバー

2006年7月5日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 電気機器メーカーで営業部長をしているBといいます。部下のIについて相談があります。Iは、入社6年目で、入社当初より営業に配置されています。入社した頃は、明るく、ハキハキとした性格で、客先でも評判が良かったようなのですが、入社4年目に担当地区のリーダーとなって、忙しさもあったのでしょうか、快活さが一時、失せたことがありました。
 最近、別の問題が表面化してきました。入社7年目の今年の春から社内で大きな声で、業務時間内であることに関わらず、次から次にしゃべりつづけているという状態です。話をしている内容といえば、社内で一番の成績をあげてみせるとか、今期は100億円の売上を目指すというような感じです。目標が高いのは良いのですが、現実離れしていて、疑問や反対の意見を他の社員が口にしようものなら、食って掛かります。今のところ暴力を振るったということはありませんが、部内での人間関係の悪化が深刻になることと客先でトラブルを起こさないかということを特に心配しています。

 相談内容の詳細は前編をご参照ください。>>

1.はじめに


 従業員の異常言動によって、職場の人間関係を悪化したり、取引先とのトラブルを招く恐れがある場合、会社は、通常であれば、その従業員に異常な言動を慎むように注意し、改善が見られない場合には、懲戒・解雇するなどして対応することができます。

 しかし、Iさんの異常言動は最近始まったこと、また、業務が多忙で睡眠時間も少ないことから考えると、Iさんが何らかの精神疾患になり、それが異常言動の原因になっている可能性があります。

 会社にはIさんの治療に配慮する義務(健康配慮義務)がありますので、Iさんが精神疾患になっているにもかかわらず、通常の従業員と同じように注意・懲戒等してしまうと、健康配慮義務違反による損害賠償などの対象となる恐れがあります。

 そこで、会社は、まず、Iさんに産業医等を受診させて精神疾患等の有無を確認し、その後、診断結果に基づいて対応策を決定する必要があります。

2.産業医等の受診命令

 相談内容によると、Iさんは自分の異常言動を認識していないようなので、会社が産業医等を受診するように勧めても、拒否する可能性があります。この場合、会社が、Iさんに産業医を受診するように命じることはできるでしょうか。

 この点については、前回解説しました通り、会社の就業規則に規定があれば、これを根拠にして受診命令を出すことができます。また、就業規則に規定がなくても、会社は、合理性・相当性がある場合には、従業員に産業医の受診命令を出すことができます。

 受診命令を出すだけの合理性・相当性が認められるかどうかは、会社の顧問弁護士ともよく相談して判断する必要がありますが、Iさんの場合、異常な言動によって部内の人間関係を悪化させており、また、取引先とのトラブルを生じる可能性もありますから、受診命令を出すことの合理性・相当性は認められるのではないでしょうか。

コメント0

「事例で学ぶ「メンタルヘルス」のツボ」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

定年後の社会との断絶はシニアの心身の健康を急速に衰えさせる要因となっている。

檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師