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競争の本質は創造にあり

顧客満足度を「競う」誤り

  • 常盤文克

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2006年7月10日(月)

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 前回までのコラムでは、世の中の方向性がデジタルに振れ過ぎているので、少しアナログに針を戻そうと、警鐘を鳴らす意味も込めてお話ししてきました。今回からは、デジタル対アナログという切り口で3つの視点-競争、成果、集団-から、日本的経営を模索してみたいと思います。
 
 まず最初は、「競争」という切り口です。最近、「格差社会」とか「所得格差」とかいう言葉をよく耳にしますが、社会における格差の広がりが問題視されるようになってきました。この格差を広げている原因の1つが、私にはいき過ぎたデジタル化にあると思えてならないのです。
 
 デジタル化とは、物事を数値化したり可視化することで、外から見て分かり易くしていくことです。どんな競争でも数字の大小など目に見えるものでデジタルに較べれば、その勝敗の判断が簡単にできます。その繰り返しが競争をあおり、格差を広げているのではないでしょうか。
 
 一般的な競争原理では、優劣の格差が広がると、下にいる人たちは上に行こうと懸命に頑張るといいます。しかし、私は必ずしもそうは思いません。逆に格差が広がりすぎると、人は競争をしなくなってしまうのではないでしょうか。
 
 極端な例かもしれませんが、それはこんなイメージです。相撲の地方興行の折などに、巡業先のイベントで力士が小学生と相撲を取ったりすることがあります。愛嬌があって面白いのですが、子供は力士に本気で勝とうとは思いません。体格も力も格差がありすぎるからです。しかし、小学生同士の相撲であれば、互いに本気になってぶつかり合うでしょう。

アナログの価値基準こそ日本的競争の源泉

 つまり、競争は格差が小さい時には起きますが、あまりに格差が開きすぎると、競争しようという意欲がなくなってしまうのです。その結果、ますます格差は開いていきます。こうした循環が起きるのも、もとをたどれば社会のデジタル化という現象に起因するのではないかと思います。
 
 企業や社会における競争の原動力が何であるかを考えると、デジタルな価値基準としての「お金」という存在が大きいと思います。一方、お金の対極に何があるかといえば、それは人の「心」です。「こんなことをやってみたい」「こんなものをつくってみたい」という夢や熱い思い、あるいは「世のため人のために尽くしたい」という情熱など、心の中からわき出る内発的なものに動かされて行動する結果として、競争が起きます。この内発的でアナログな部分が、お金という外発的でデジタルな価値基準に押しつぶされてしまったら大変です。そんな危機感を私は持っています。
 
 「村上ファンド」前代表の村上世彰氏が証券取引法違反で逮捕・起訴されましたが、彼も当初は「ルールには違反していない」との主張を繰り返していました。

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