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「密告」は美徳ではありませんか

2006年7月20日(木)

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 多くの企業犯罪は社員の「密告」によって摘発されています。残業代の不払いしかり、不祥事の隠蔽しかり、業界ぐるみの談合と、枚挙にいとまがありません。

 企業犯罪というのは、その当事者でないと不正を知り得ないのがほとんどで、外部から把握するのは困難なため、摘発するには内部の「密告」に頼らざるを得ないというのが現状です。

 この現状に日本企業の多くの経営者は、目を背けているようです。もっとはっきり言えば、「密告」による摘発を忌避したがります。理由を尋ねると、必ずと言っていいほど、お決まりの文句が返ってきます。

 「日本人の美徳に反する」

不正を正す行為は不道徳?

 美徳とは何なのでしょうか。組織の不法行為を認識したら、それを正すために当局に知らせるということは、道にかなった行為なのではないでしょうか。そもそも、社会に根ざす企業ならば、当然果たすべき基本的責務です。

 社員に不正の隠蔽を強要することは、不正を犯した上に、さらにその事実を握りつぶすのですから、罪を上塗りしたことになります。

 「組織の犯罪を隠すべき」というのは日本人の美徳でしょうか。

 目の前の違法行為を見ないふりするのは日本人の美徳でしょうか。

密告でなく通報

 迷惑な違法駐車に耐えられず、警察に電話したという経験を持つ方も多いと思います。警察に連絡する行為を、誰も「密告」とは言わないと思います。わざわざ言う必要もないですが、これは「通報」です。

 それでは、駐車違反より社会に悪影響を与える企業犯罪を当局に通報すると、なぜ「密告」になるのでしょうか。あえて理由を探すとすれば、それは内部の人間が「通報」したからです。

 社員が社内の違法行為を「通報」すると、「密告」になるのです。確かに「密告」は、その目的と関係なくその行為自体は不道徳です。「組織の問題は、組織の中で解決すべきだ」ということが日本の道徳のようです。こんな理屈を言うと、ほとんどの日本人は怒るはずです。

 しかし、企業犯罪に限っては、そうした道徳観が大手を振るっています。日本の企業は密告を戒めると同時に、組織のために犠牲になった人を徹底的に保護します。たとえその犠牲が組織の外にある社会に損害を与える犠牲であっても保護します。これも美徳と掟のようなものです。

社長が社員を必死にかばう前提条件

 昨年9月、公正取引委員会が橋梁談合事件を調査する際、談合の事実を認めない会社の社長に十分な証拠を見せたうえ、「部下に談合の事実を認めるよう説得」を求めました。日本経済新聞2006年7月4日付朝刊「試される司法」によれば、こうした公取委の対応に「何と言われても部下の言い分を信じる」と取り合わない社長が多かったそうです。

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