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同じアジアの同胞に送るメッセージ

2006年8月3日(木)

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 新幹線の中で偶然にめくったニューズウィーク誌のページから衝撃の写真が目に飛び込みました。爆弾に飛ばされた4~5歳の男の子は衣服がちりちりになり、埃だらけの姿で瓦礫の上に横たわっていました。隣に死んだ別の子の足が見える…。

 子供を持つ読者ならきっと分かると思いますが、大きな頭と小さな手足が特徴の子供の姿を見ると人間は自然に親心がわいてきます。たとえその子供が全然関係のない人の子供だとしても。

 私はついついこの子供の姿を自分の子供に重ねてイメージしてしまいました。一瞬にして熱いものがこみ上げてきて胸が詰まる感覚にとらわれました。「誰がこんなことをしたのだろうか、たとえどんなことがあったとしてもしてはならない…」と思いました。

 気を取り直して記事を読むと、それはイスラエルがレバノンを攻撃した際の犠牲者だと分かりました。

 この時、僕はなぜだか『アンネの日記』を思い出し、いつのまにか「アンネ、あなたの後輩たちは、こんなひどいことをやっている」と心の中で彼女に語りかけていました。

イスラエルはアジアの民

 イスラエルという国は日本人にとって遠い国かもしれませんが、この国はレバノンと同じくアジアの国です。日朝国交正常化すれば韓国の釜山から汽車で北朝鮮を経由して行ける場所です。

 不思議なことにアジア大陸の西の端にあるイスラエルは、東の端にある北朝鮮と類似点があります。

・第2次世界大戦の終焉によって誕生した国
・国の規模にふさわしくないほど武器を持っている
・周囲の諸国と仲が悪い
・核兵器を隠し持っている
・特定の大国の支持に頼る

 アジアの東端では北朝鮮のミサイル実験に関心を奪われていましたが、それよりもはるかに危険で残忍な行為が西端では起きてしまいました。第2次世界大戦で悲惨な目に遭ったユダヤの民は、今は近隣のレバノンを同じような悲惨な目に遭わせようとしています。

 イスラエルには、イスラエルなりの主張があるのは分かります。その一方で、なぜ他のどの民衆よりも争いの悲しみ、空しさ、苦痛を知っている民たちが、先鋭的な戦いに勤しむのか僕にはどうしても理解できないのです。

民主国家だろうと独裁国家だろうと悪は悪

 北朝鮮のような独裁主義国家と違って、イスラエルは民主主義の国と言われています。民主主義とは大半の民衆の意思に国家が従うことです。独裁主義よりはるかにまともな社会体制であるはずではありますが、民主主義国の起こす戦争も独裁主義の国が起こす戦争もその質に大きな違いはありません。

 どのような体制が起こす戦争だろうと戦争は戦争であり、戦争によって犠牲になる民衆にとっては、戦争の大義など関係ありません。国がどんなに「正義のため」と言おうと、民衆にとっては空虚な言葉にしか聞こえません。

 仮に大半の民衆が戦争を支持しているとしても、正当な行為にはなり得ません。圧倒的な民衆の支持を背景にしたナチスがアウシュビッツで起こしたことは、そこにどんな反駁があろうと正当化できないはずです。

 民主主義国家であろうと独裁国家であろうと、過ちは過ちとして制裁を受けるべきです。パレスチナの民が選んだ政府はハマスだと分かった途端、米国と欧州が制裁を始めました。ならばイスラエルはどうなのでしょうか。

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