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ニューヨークから終戦記念日に平和を祈る

  • 神谷 秀樹

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2006年8月15日(火)

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 現在イスラエルとレバノンの間にはミサイルやロケット弾が飛び交っている。しかしながらニューヨークの私のオフィスでは、幸いなことかな、ユダヤ人とレバノン人の同僚が仲良く机を並べ、力を合わせて仕事している。

ユダヤ人とレバノン人が机を並べるオフィス

 私の同僚の1人は、共にクリスチャンであるレバノン人の父とイタリア人の母の間に生まれ、幼少期をベイルートで過ごした。だが、シリアに国を奪われるとフランスに逃げ、やがて子供たちを米国で教育したいと希望する両親に連れられて当地に来た。彼らが逃避する前まで、レバノン国民の6割はクリスチャンだったという。彼の親戚の6割は国外に逃げたが、残ったメンバーは多くが殺されるか、話すにも辛いほど悲惨な目に遭ったという。今レバノンではクリスチャンは少数派だ。

 彼と机を並べる同僚はユダヤ人だが、彼の奥様はイラク系ユダヤ人である。バース党(サダム・フセイン)が民族主義を掲げるまで、バグダッドには約30万人のユダヤ人がアラブ人と仲良く暮らしていたという。そのユダヤ人たちは国外に逃げるか殺されるかし、今バグダッドにユダヤ人の人影は無いという。彼女の家族はインドを経てカナダに逃避し、彼女はやがてニュ-ヨークに住む我が同僚に出会い結婚した。米国に来るまで、私はこのように複雑な人々の歴史を全く知らなかった。

 ニューヨークにはこのように、住む国を奪われた人々がたくさんいる。ホロコーストに追われたユダヤ人に限らず、朝鮮戦争、ベトナム戦争、中国の文化大革命から逃げてきたアジアの人々など多種多様で、故国や民族、宗教への心情に配慮することなく政治経済の話をするのは禁物だ。

 「日本の8月」と聞くと、思い浮かぶのは広島、長崎の原爆慰霊祭と「精霊流し」、そして終戦記念日だ。高校生の頃グリークラブに所属して「黙示」(詩・木原孝一)という鎮魂歌を歌うために原爆の記録の本を何冊か読んだが、読むだけで辛いものだったことを憶えている。

 一方、日本が現在の繁栄を築くことができた最大の理由は、第2次大戦敗戦後も北方領土を除いて国土を奪われることなく、また、比較的平和な国際秩序の下で安い石油を大量に確保することができたことにある。朝鮮戦争特需、ベトナム戦争特需は、日本経済にとっては発展の機会にさえなった。

課題は山積、いがみ合っている場合ではない

 世界は今、平和なのだろうか。あるいは、平和な世界が築かれる方向に向かっているのだろうか。残念ながら私にはそうは思えない。米国は既に次から次と起こる多くの紛争に巻き込まれ、また、果てしないテロとの戦いを進めている。今回ロンドンで大規模航空機爆破テロが発覚し、未然に防止されたが、改めて同時多発テロの恐怖が身近にあることを認識した。

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