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アフリカで見たもの

見落としてはならない社会のメガトレンド

2006年8月25日(金)

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 WFP(国連世界食糧計画)のお手伝いをしている関係で、アフリカに行ってきた。国連WFP協会の会長である丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長とご一緒に、ケニア東部の干ばつ被害地、ソマリア国境の難民キャンプなどで、緊急食料援助の現場を見せていただいたのだが、最も強く印象に残ったのは、ナイロビのスラムで暮らすAIDS(エイズ)に冒された子供たちだった。

 エイズを発症した両親が死んでしまうと、残された貧しい子供たちは次の日から食べていく術がない。周辺国やケニア国内の低開発地域から、チャンスを求めて大都市ナイロビのスラムにやって来た人たちの大部分は、その日暮らしだ。子供だけが取り残されたような場合、近所の貧しい人々が、乏しい中から何らかの食べ物を分け与えることが多いそうだが、当然それには限りがある。アフリカの中では比較的豊かなケニアでも、最底辺の人たちに対する福祉制度は不十分だ。

「教師になりたい」と答えたエイズ患者の少年

 親から受け継いでしまったHIV(エイズウイルス)とも闘っていかねばならないが、栄養状態の悪い子供たちは、たとえ薬をもらえる状況になっても、それを受けつける体力がなく、効果が得られない。孤児たちの多くは、生き延びるために犯罪に手を染めることになり、中にはエイズ発症への恐怖から自暴自棄になり、凶悪化していく者もいる。

 我々が訪ねた一家では、10歳から17~18歳の4人の少年少女が、わずか2畳ほどの、電気も水道もないバラックに住んでいた。全員がHIV保有者で、うち2人は治療が必要な状況にある。

 幸運なことに彼らは、WFPが協力しカトリック系の団体が運営している、貧困とエイズに苦しむ人たちを支援するプログラムに助けられた。1日の必要カロリーの半分程度とはいえ、WFPから提供される食料で栄養失調状態からは抜け出せたし、プログラムの一環で学校教育も受けている。近くエイズ治療を受けられる可能性も高いらしい。

 少年の1人に、「今望むものは」と尋ねたら、はにかみながら「学校にきちんと行って、将来は教師になりたい」と答えた。たとえ、親を失い、病魔に冒されていても、少なくとも彼らには、夢がある。

先進国企業にとっての感染症の意味

 ただし、推定人口100万人と言われるキベラ地区のスラムでは、その多くがHIV保有者であり、今後ものすごい勢いで孤児が増え続けていくことは間違いない。少なくとも、現段階でも、WFPやその他のNGO(非政府組織)の支援はほんの一部しかカバーできていないし、今後支援が届かない層は、拡大し続けるだろう。さらに、ケニアよりも状況が悪い国は、枚挙に暇がない。

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「アフリカで見たもの」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCGシニア・パートナー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&Aなどの戦略策定・実行支援、経営人材育成、組織能力向上などのプロジェクトを手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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