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「見える化」は、「測れないものは測らない」姿勢で

  • 常盤文克

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2006年9月11日(月)

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 最近、経営の「見える化」「測る化」という言葉をよく耳にします。

 意思決定や作業の過程を文字や数字などの目に見える形で示し、どれだけ効率よく成果が出ているのかを数値を基に検証し、改善していこうという試みです。トヨタ生産方式で重要な役割を果たす概念としても知られています。

 この「見える化」や「測る化」を実行していくには、経営に関わる様々な要素を視覚化・数値化して、具体的なデジタル情報に変えていく作業が必要です。ただこのとき、やみくもにデジタル化を進めてしまうと「測れるものだけを測る」ことになるので、数値化できない要素が削ぎ落とされ、実体とは違った形のものになりがちです。

 つまり、デジタル化の過程で「省略と変形」が起きてしまうのです。また、数値で評価するので部分最適に陥りやすく、仕事の全体像が見えにくいという問題もあります。

「省略と変形」が本質を見えなくしていく

 人事評価がそうです。あらかじめ決められた項目に沿って機械的に評価をしていくと、社員が持っている仕事への情熱や思いといったものは“点数”には反映されません。そうした人の心の部分に目を向けずに、見える部分だけをデジタル化しても正当な評価はできません。このことがかえって社員の士気を下げ、その集団が間違った方向に進んでしまうことにもなりかねません。
 
 企業の格付けや、新聞や雑誌などで見かけるランキング調査も同様です。その裏側には、評価に反映されないまま切り捨てられた要素が数多くあります。

 そんな限界があることを読み手が認識できていればいいのですが、大概の場合はランク付けや順位だけが一人歩きしてしまいます。そこからは、現場の熱気や働いている人たちの思いとかやる気、情熱といった心の部分は見えてきません。

 「見える化」や「測る化」の発想そのものは決して間違ってはいないと思います。見えるものは見せる、測れるものは積極的に測っていくことが大事です。しかし、無理に測ることで姿を変えたデジタルな数値が、いかにも実体(真実)であると“錯覚”されたまま一人歩きすることは危険だと感じます。その裏側で、さまざまな測れない要素が削ぎ落とされてしまうことを、忘れてはなりせん。
 
 最大の問題は、こうした省略と変形の過程で、本質が見失われてしまうことです。

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