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ポスト京都議定書

米国・中国・インドは参加するのか
環境税と大規模クリーン開発が焦点に

  • 日経エコロジー編集委員 山岡 則夫

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2006年9月4日(月)

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今年7月、京都で環境経済学世界大会が開催され、世界のキーマンが集結して地球温暖化防止のため、京都議定書後の国際的枠組みについてのシンポジウムが開かれた。そこでの議論をもとに、「ポスト京都」の問題と方向性を探った。


>スティグリッツ教授にきく地球温暖化防止策

京都議定書後の国際的枠組みについてのシンポジウム

 地球温暖化を防止するため、先進各国の温室効果ガス排出量に上限を定めた京都議定書。その第1約束期間が2008年から始まる。日本は1990年比6%削減を約束しており、省エネ対策やクリーン開発メカニズム(CDM)事業など、二酸化炭素削減の努力が盛んに行われている。

 だが、それは温暖化防止への第一歩。地球規模でさらなる努力を続けるため、2013年からの第2約束期間(ポスト京都議定書)の枠組みについての議論が活発になっている。

 6%減の国際公約を守るだけでも大変な労力とコストがかかるのに、さらにその先なんて考えたくもないというのが、具体的削減が求められるわが国の現場の正直な声。

 実際、1997年に京都議定書が採択されてから今日までの間に、様々な問題点が浮かび上がってきた。ポスト京都議定書の枠組みを決めるに当たっては、こうした問題点を踏まえて、有効かつ実行可能な枠組みにしようというコンセンサスの下、議論が進みつつある。

途上国は数値規制を拒否

 問題点の1つは京都議定書において途上国の温室効果ガスの排出に何の数値規制もかかっていないこと。2000年時点で中国の(燃料消費による)二酸化炭素排出量は世界の13%、インドは4%(ちなみに日本は5%)。急速な発展を続ける中国、インドの排出量は無視できない。

 数値規制の圧力に対し、途上国側の反発は激しい。

インド・エネルギー資源研究所顧問 チャンドラシェカー・ダスグプタ氏

 「既に過去の化石エネルギー消費で経済発展の恩恵を受けている先進国を規制するからといって、これから発展を図ろうという途上国に規制をかけるのはおかしい。温室効果ガス排出の許容量は基本的に一人当たりで公平に分配すべきであろう。インドの1人当たり二酸化炭素排出量は先進国平均の1割以下で、地球温暖化の加害者というより被害者」(インド・エネルギー資源研究所顧問のチャンドラシェカー・ダスグプタ氏)

 京都議定書で先進国に課したような温室効果ガス削減の国別数値目標をそのまま先進国以外に課す案は、同意が得られそうにない。

中国国家発展改革委員会エネルギー研究所エネルギー・環境・気候部長・教授 姜克ジュン氏

 「協定による数値規制には反対だが、中国政府は自律的に目標を設定している。ことし制定された第11次5カ年計画では、単位GDP(国内総生産)当たりのエネルギー消費を5年後には20%削減することを目標に掲げている」(中国国家発展改革委員会エネルギー研究所エネルギー・環境・気候部長・教授の姜克ジュン氏)

 京都メカニズムを活用し「地球環境に取り組むための国際基金である地球環境ファシリティー(GEF)の積極活用やCDMの拡大により、地球温暖化ガスの排出の少ない開発をさらに行いたい」(ダスグプタ氏)

 途上国側は、数値規制には反対だが、十分、自主的な努力をしているという主張だ。

経済メカニズムが働く環境税に注目

 一方、先進国側は京都議定書の排出削減義務の数値をクリアできないかもしれないという苦しい状態にある。わが国は温室効果ガスを1990年比6%削減目標に対し、現実には90年比8%増。結局、これから14%を一気に減らす、という厳しい状態に立たされている。

 省エネ努力、森林による二酸化炭素吸収、日本企業の途上国CDMプロジェクトで生み出されるクレジットなどでは追いつかず、このままでは、ホットエア(排出削減義務0%のロシアや東欧諸国のエネルギー消費の落ち込みにより自然に生み出された温室効果ガス排出枠)を、言い値で買うことになりそうだ。

 先進国がこれ以上数値規制に基づいて排出削減を図るのは、コストも労力も膨大なものになってしまう。

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