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スティグリッツ教授にきく地球温暖化防止策

地球環境・環境技術は公共財
温室効果ガス排出には国際的な環境税を

  • 日経エコロジー編集委員 山岡 則夫

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2006年9月4日(月)

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クリントン政権が京都議定書の協約に参加し、ブッシュ政権になって批准を拒否して離脱した米国を、地球温暖化防止の世界的な枠組みに引き戻す方法はあるのか。ポスト京都議定書はどのような枠組みが考えられるのか。クリントン政権時に大統領経済諮問委員長を務めたスティグリッツ教授に聞いた。(聞き手は日経エコロジー編集委員・山岡則夫)


>京都議定書のシンポジウム

京都議定書に3つの欠陥

――先進諸国が温室効果ガスの削減目標を定めた京都議定書をどのように評価していますか

ジョセフ・E・スティグリッツ(Joseph E. Stiglitz)氏

スティグリッツ 京都議定書は画期的なものです。地球温暖化問題の重要性を認識してほとんどの先進国が協約を締結し、歴史上初めて温暖化ガスの排出量拡大に少しでも歯止めをかけるのですから。しかし、大きく分けて3つの欠陥があります。

 第1は強制力の問題です。地球環境は公共財です。公共財を扱う場合、法令順守のためのインセンティブが必要です。京都議定書には協約順守のためのインセンティブ・強制メカニズムがありません。

 第2は参加者の包括性の問題です。地球温暖化対策には全員が参加しなければなりません。特に、世界最大の二酸化炭素排出国・米国の参加が不可欠です。さらに、発展途上国の参加も重要です。発展途上国の自主的努力だけではなく、排出抑制のための強いインセンティブが必要です。

 第3は排出源の包括性の問題です。特に、森林破壊の防止の問題ですね。防ぎ得る森林破壊にもっと注目すべきです。森林破壊による二酸化炭素の増加は米国の排出量と同程度と言われています。

 京都議定書は先進国にそれぞれ温暖化ガス削減量の目標値を割り振って各国が取り組むという目標設定型のアプローチをとっています。行き詰った現状をみれば、このやり方をこれ以上前進させるのは極めて困難です。インセンティブや参加者の包括性の問題を解決するには、別の方法を取るべきでしょう。

排出に税をかける

――確かに、京都議定書は目標設定でもめましたし、目標達成に苦しんでいる先進国は少なくありません。どのような方法がいいのでしょうか

スティグリッツ 温室効果ガスの排出に課税する国際的な環境税という枠組みで、排出者全員に社会的コストを支払わせることが、市場メカニズムを通した排出抑制につながります。経済的にも効率がよく、状況に応じて税率を調整することで削減目標に近づけることができる方法です。

 税収は世界的な公共財、世界的な排出削減努力に供することができます。税の使用目的について世界的に合意し、税収は各国が保有するという方法もあります。

 温室効果ガスの排出に課税する国際環境税という方法は以前討議され、却下されたという経緯があるのですが、排出削減目標設定型の手法が行き詰まった今、再度検討することになるでしょう。

さらに、国際環境税によって企業は環境改善や排出削減への関心を高め、排出削減技術や装置の開発に努力するようになります。これは実際の経済に大きな刺激を与え、経済活動を活性化します。

 1990年代はインターネット技術、ドットコム企業が経済を大きく引っ張りました。次の牽引力は何かと皆さん模索していますが、答えは新しい環境技術だと思います。

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