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強気を通す堀江さんから学ぶべきこと

2006年9月14日(木)

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 先日、京都の料亭で京セラ名誉会長の稲盛和夫さんにご馳走になりました。席上、買収を繰り返してきた某カリスマ経営者についてコメントを求められました。

 「僕のような者が彼についてコメントする立場にないです」と逃げようとすると、稲盛さんは「いいえ、何かの考えがあるはず。ぜひ聞きたい」と、逃げるのを許してくれませんでした。

 昔から尊敬している経営者の稲盛さんのお言葉は重く、私見という形で次のようなことを述べました。「自分で事業を創出し利益を出してから会社を売買するのはいいのですが、事業と利益そのものを売買するのは実業とは言えません」。

 深く頷く稲盛さん、ほっとした僕。この話の念頭にあるのは、あくまでも経営者の話です。ですから一切、堀江さんについて触れることはありませんでした。そう、違法性があろうがなかろうが、2人の間では、堀江さんの「経営」はもはや経営ではなく虚業にさえもならない、と見なしていたからです。

理にかなわない強権を許す社会の雰囲気

 久しぶりにニュースに登場した堀江さんは、相変わらず不敵に満ちた強気の姿勢を感じさせました。自信満々の顔で「違法性がない」「知らない」と押し切る堀江さんは、いったいどこからその強気の根拠を得ているのかと、考えさせるほどでした。

 「あそこまで強気を押し通せるのは、揺るぎない信念に基づく自信があるからだ」。そう考えてしまう人もいるかもしれませんが、これは人間が持つ一種の弱さがもたらす誤解ととらえるべきです。

 理にかなわないような強権を許してしまうのは、自信を喪失した社会の1つの現象なのです。自立できず、何かにすがらないと不安でたまらない人々は、堀江さんのような強気のリーダーシップに希望の光を見い出してしまうのです。たしかに最近の日本、そして世界には、人々を不安に駆り立てる出来事が多発しました。

 国内では、1990年代末の金融の不安定から不良債権、リストラ、年金問題、格差拡大と経済そして社会は暗いニュースにあふれました。海の外に目を向けても、9・11(米同時多発テロ)の惨劇からアフガニスタンとイラクへの侵攻、人質の惨殺、大津波の発生や巨大ハリケーンの襲来と人災、天災が連続して発生しました。こうした現象は、確かに多くの人を得も言われぬ不安で包み込みました。

 不安指数とも言うべきものが日増しに高まる中で、自信に満ちた表情で既成のものに挑戦する堀江さんに、庶民が一抹の希望を求めても不思議ではなかった。

自信のない投資家には、強気の経営者

 堀江さんの強気は、2000年のIT(情報技術)バブルの産物だと思います。当時、僕も同じ年にマザーズ上場を果たしました。上場を境に、IR(投資家向け広報)のノウハウのない僕に多くの証券会社やIRコンサルティング業者が、アドバイスと称した様々なテクニックを伝習しに、会社にやってきました。もう記憶に残っていない話もありますが、忘れもしないのは「強気でいなさい」ということでした。

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